ゴーン氏とか……カリスマ性がないと量産電気自動車のリーフは出なかったはず
直近のニュースにいろいろ言うつもりはあまりないのですが、最近の日産のやり方まで否定するような風潮があるので言いたくなりました。トップが変わったからといって、今までの否定が目的になり、何もかも変えてしまうようなことだけはなくしたいものです。
ゴーン氏が来る前の日産を思い出せばわかるようにどうしようもない状況でした。彼のようなやり方でなければ、自ら再生なんてしなかったできなかったはずです。日産の車種を絞ってつまらなくしたと言う人もいますが、会社がダメになってしまっては伝統のクルマ? シルビア? そんなものこそ残っていないはずです。
そして、一定の業績があり、しがらみに抵抗できる権力がなければ電気自動車を出すことはできなかったと想像が付くはずです。
ストロングハイブリッドカーは過渡期のものです。なぜか。クルマに動力装置を2セット載せていて効率が悪いことが多いことです。そして、先行会社の製品の基本構造は20年以上変わっていません。
燃費は多少いいのかもしれませが、ストロングハイブリッドカーが今、存在していることこそ、自動車関連業界の部品屋から販売店までの収益構造を守ろうという利権保持の象徴です。エンジンオイル交換とかトランスミッションオイル交換とか、暖気運転が必要とか、エンジン車の悪い部分をそのまま残しているからで、部品が多くなれば部品屋が、保守の手間に変化がなければ販売店が、従来どおり維持できます。
反対に純電気自動車は、部品点数が減り、保守の手間が減って販売店の整備部門に影響があります。実際に日産リーフの整備費用は驚くほど安くなっているはずで、販売店の収益構造に影響が出始めているはずです。あとは肝心なバッテリー周りが進化し、台数が増えれば販売店の収益構造が激変することになります。
こんなことは、カリスマ性があり、大なたを振るうことができる人がいなければできません。
日産リーフは最低グレードを除いて最初からコネクテッドカーになっていますが、主に充電管理で販売店の利益維持機能はほとんどありません。その一方で今年出た競合社のコネクテッドカーは販売店への来店機会を増やすことばかりです。
彼の罪や製品に関わっていない部分での行動については別の人が言及してくれると思います。カリスマがいなくなることで、しがらみを断ち切って変化をしなければならないところのスピードが弱まるなら、クルマの電動化の動きが弱まるような気がしてなりません。