LEDは直進性が……という謎
LEDの光は直進性がどうのこうと、未だに言う人がいます。また、ブルーライトについてもいろいろ言う人もいる。もう少し科学的に考えてほしいものです。
そもそも光はすべて直進する。直進しないのは特別な物理的な作用をあったときだけで、LEDだから特別に何か起こることはありません。
なぜLEDは直進性が……と言われたのか定かではないですが、従来の電球がフィラメントから360度全方向に光を発するため、周囲の反射も含めて点光源よりも面光源になりやすいものに対して、LEDは素子片面からの発光で、周囲の反射があまりなく点光源になりやすいという違いがあるからと思われます。
特に初期のLED電球は特に前方向に強く光を出していたため、フィラメントの置き換えでは後ろ側の反射光がなく、光源が点になりやすく影が出やすいということがあったと思われます。現在のLED電球は配光範囲が広くなったのでだいぶ和らいでいて、LED電球の置き換えではなく、LEDシーリングライトなどもともとLEDを前提に設計された照明器具では、影が出やすいなどの問題はなくなっています。
他の照明器具では、ダウンライトでは、2010年くらいに出た初期のものはLEDの光を無駄なく使うため、LEDのツブツブが見えるほど点光源のまま光を発していましたが、2014年くらいには乳白色のカバーが付いた面光源タイプに変わっています。同時に価格も大幅に安くなった記憶があります。
もし、LEDの照明の光り方に不満があるのなら、電球なら最新のもの交換するほか、LEDで一体設計された照明器具ごと取り替えることがおすすめです。
また、配光特性以外にも、初期のものには点滅性能で酷いものがあったほか、色味についてもおかしなものがありました。特に批判をあびたあるメーカーは、早い時期に市場から撤退しています。
LED電球は一度購入すると切れるようなことがなく、あまり使わない場所では半永久的に使えると言ってもいいでしょう。そのため、過去に問題があった製品で取替機会を逃しているかもしれません。現代のものに交換してしまえば、なぜもっと早く交換しなかったのかと後悔するほど改善があると思われます。
ちなみにブルーライトの問題は、白色LEDの構造として青色LEDを黄色の蛍光剤に当てて白色を作り出していることが発端です。LEDのほうが明るいことや、前述のように色味も点滅もおかしなメーカーがあり、白熱電流に比べると違った印象を持つことから、LED電球の粗を探した結果、そのような説が出たのだと思われます。
明るくなれば、目への攻撃性は高まるのは当然で、明るい蛍光灯、もっと明るい直射日光でも同様です。照明なら明るさを変えてみればよく、PCやスマートフォンでも怪しげなメガネやフィルターを買う前に画面の輝度調整してみればいいことです。
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