シャープのプラズマクラスターで新型コロナの約91%不活化に成功したというニュースの重要点を挙げるので、その上で判断を
シャープのプラズマクラスターで新型コロナの約91%不活化に成功というニュースが流れています。
いくつか気になってるところをあげておきます。
- 特別に開発した約3Lの試験空間
- 実験で装置から吹き出したプラズマクラスターイオン濃度は通常製品の5~10倍
- 30秒間吹き出し
記事によれば、実験では、プラズマクラスターイオン発生装置付近で約1,000万個/立方cmで、実際の商品に利用されているプラズマクラスターイオン発生装置は、吹き出し口付近で約100~200万個/立方cm、とされています。
実際の製品では製品ランクによって吹き出し濃度に差はありますし、濃度はカタログにありますが、吹き出し付近の濃度とは別のようです。
そして、実験ではそれより大幅に濃い量を発生する装置を使い、わずか3Lの空間。つまり、焼酎の大五郎の2.7Lペットボトル内より少し多いくらい、4Lペットボトルよりはかなり小さい空間での試験です。
ふつうの6畳間の面積が約11平方メートルで高さが2.5メートルとすれば、約27.5立法メートル。つまり約2万7500リットルです。大五郎1万本分くらいあります。
それを、市販品は実験よりも5~10分の1程度しか発生しない装置ですので、同じ不活性の実験結果を得るには5~10万倍のプラズマクラスターイオンが必要です。ということは、市販装置と6畳間で実験と同じようなプラズマクラスターの濃度にするには382~764時間ほど連続して運転する必要があります。
そして、その間に一度吹き出したプラズマクラスターイオンは減少しないという前提も必要です。
ですので、シャープのプラズマクラスター製品を買って部屋で稼働させたら新型コロナウイルスが91%不活性になるというのは、かなり難しいことがわかります。
実際にプラズマクラスターイオンで新型コロナウイルスを不活性化させるには、小さい密閉空間で高濃度を保てる専用装置が市販される必要があるでしょう。
同様のことはオゾン殺菌系のパナソニックやダイキンも実験して成功しているとあります。実際どの製品をどれだけ運転をしたら実験と同じ効果があるのか、計算してみるといいでしょう。
|