今年の電気じかけは、前途多難かも。本当に冷静な理解が必要

2021年の電気じかけの機器やクルマは前途多難のような気がします。なぜなら、2020年の暮れにマスコミが盛大に打ち上げたクルマの電動化反対のキャンペーンです。

トヨタの社長で日本自動車工業会会長の豊田章男氏がマスコミに対して、

  • 電動化とはEV化にあらず
  • ハイブリッド車も電動車で日本の電動化率は台数を考慮すれば世界トップクラス
  • 純電気自動車と純ガソリン車の対立として煽らないように
  • カーボンニュートラルの目標は厳しいが自動車業界は頑張る

などという基本的になことを訴える会見を開いたのに、なぜか「トヨタの政府批判」という内容に仕立て上げた記事が出回るという結果になっています。欧州のCAFE規制に対してもトヨタは欧州各社を差し置いて圧倒的に有利な立場なのに、なぜか、欧州はじめEV利権へ物申すみたいな図式にされてしまっています。

トヨタも、マスコミの捉え方が違うと正面切って言えないし、特にクラシックな新聞社は記事内容に対してそのようなことを言われると「編集方針への干渉」などと言い出す始末で、場合によっては広告を多く出稿しているトヨタゆえ、トヨタに忖度した記事などとおかしな方向に行ってしまう可能性もあり、放置されています。

そのため、おかしな話のままで進み、世論も「急速な電動化は悪」「電動化はCO2削減にならない」という流れになりそうです。

しかも、高速道路が雪で立ち往生の記事に絡め、EVだったら凍死するとまで言われてしまい、EV化を叫ぶことさえはばかられる方向になりそうです。

クルマだけならまだしも、怖いのは家庭内機器に及ぶことです。2019年秋に電気の復旧が遅れたことを未だに揶揄する人もいますが、手入れの悪い樹木が電線を切ってしまうことが相次いだことが主な原因であるにも関わらず、電気は災害復旧が遅いとまで信じてる人もいます。

一般的に大地震があればインフラは電気、水道、ガスの順に復旧することが多いです。樹木の問題については、電力会社がもっと厳しく電線へ危害を及ぼす樹木の所有者に対して厳しくあたったり、電線へ干渉する樹木を伐採できる権利をルール化するなどで大きく改善できるでしょう。

ところが、管路が物理破壊されやすい水道とガス、さらに、漏れたら即、大事故につながるガスは、きちんと安全が確認できないと復旧しません。電気に比べれば平均的に災害に弱いインフラであることは明らかでしょう。

ちなみに、大雪の高速道路で閉じ込められた場合ですが、ガソリン車であってもガス欠ならエンジンは止まり熱源がなくなれば暖房はなしです。どれだけ蓄えを持っているかという話にすぎないので、EVだから問題ではないかもしれません。

また、孤立した場合、EVの場合はサービスエリアへの給電が正常ならばサービスエリアの急速充電器で充電できますが、ガソリンも軽油も補給が断たれれはそこで終わりです。雪で立ち往生するくらいですから、タンクローリーもそこには到達できません。

ですので、EV車が圧倒的不利とは言えないのです。ユーザーが用途やリスクに応じて車両の種類を選べばいいことで、EVは絶対だめということにはなりません。

なお、一度蓄えるという使い方を考えれば、太陽光発電など不安定な再エネと相性が良いのは電気自動車や、貯湯式の温水器や暖房などになり、うまく活用することで、効率よくエネルギーを使うことができます。

いずれにせよ電気には短所があるようで長所もあり、電気をうまく介することでエネルギーの効率的な利用は進みます。極端な事例や間違った話をベースにして事を進めないことが重要です。2021年はもっと理解進むことを希望します。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください