欧州がEV一辺倒をやめるというニュースがありますが、EV化は進んでいきます

欧州でEV化の話で進展があり、一部のどうしてもEV化の流れを認めたくない人たちで盛り上がっていますが、よく言われることについて、見解を述べておきます。

電気が足りない

→ 液体のガソリンと違ってジャストインタイムで消費する電気の場合、その瞬間瞬間で消費する必要があり、消費されないぶんは無駄になります。現在、電気が足りないといっても24時間足りてないわけではありません。
そこに、蓄電池を持つEVは、その電気の変動のなかで余剰するタイミングをうまく吸収することができます。不安定な再生可能エネルギーとの親和性も高いです。つまり、効率的なエネルギーグリッドのなかの一つの重要なピースになり、単純に総量が足りない、という問題にはなりません。

結局火力発電所を使うから環境にいいのは嘘

→ 少なくとも発電所は人の多い場所と離れた場所にあり、もっとも効率の良い領域で発電機を回していますので、人間のそばで騒音と振動を出して回転を直接使い、効率の悪い部分も使わざるをえないエンジン車よりも効率的。排熱、排ガスについても一か所にまとめられていれば効率も対策も追及しやすくなります。

送電のロスがある

→ ガソリンをタンクローリーで運んでいる現状がありますので、厳密な数値は持ち合わせていませんが、どちらも一長一短です。ただし、身近で発電された再生可能エネルギーの吸収として充電するぶんには、送電のロスなく効率的です。

航続距離が少ない

→ 一日に何百キロも走る人はどのくらいいるんでしょうか。現状で十分ですし、家でソケット差し込めばいいので、ガソリンスタンドへ行く頻度と同じに考えてはいけません。

EVを強制されたくない

→ ふつうの人にとってクルマの振動も騒音も不要なもので、なければないほうがいいです。EVが騒音も振動も大幅改善されていることに気づいたとき、積極的に選ぶ人が今より増えてきます。そして、ガソリン臭もありません。冬の朝にあの匂いで気持ち悪くなることもないでしょう。

家の電気代が上がる

→ それほどかかりませんし、そもそもガソリン代がかからないので同じです。計算してみてください。それよりも、水素の値段や、もっと街に充電器を増やせという場合の街の充電器の利用料、そして、今後出てくる代替燃料の値段を調べましょう。今のままだと自宅充電以外は無理だと思います。

水素が本命

→ 多様化していくなかで、どれがひとつに限ることがナンセンスです。水素は貯蔵と運搬の問題があり、水素ステーションはそんなに作れません。特に過疎地。適材適所が求められます。

水素エンジンってものも出てるから

→ 現状、水素をエネルギー源とする自動車は燃料電池車以外は考えられません。水素エンジンは、現時点の技術では、昔ながらのエンジン音を楽しみたい人の趣味的対応です。トヨタが水素エンジン乗せ換えを発表した場所が、改造車の祭典、ということをよく考えましょう。
アイドリングが必要で効率的回転の範囲も狭いエンジンが、今後も一般用途で主流のままでいいかというと疑問が残ります。

ハイブリッドでいい

→ ひとつのクルマに2つのシステムを搭載する無駄を考えましょう。

急速充電器がまわりにない

→ 基本は自宅充電です。街の充電器はあくまで遠出などの非日常用。それと、日本では戸建て住宅のほうが多く、集合住宅の人はクルマの所有率は低いと思われます。多様化するなかでEVを選ばなければいいですし、EVのカーシェアなら充電問題もほぼ解決できます。

冬は死ぬ

→ 死にません。雪の中を立往生して死ぬような運転計画を立てる人は、何に乗っても同じで、通常は立往生が予想される天候ならクルマで出かけることはしないでしょう。
ガソリン車は雪に埋まると一酸化炭素中毒の恐れもあります。燃料補給も、ガソリンの運搬と、どこかにコンセントがあってなんとかなるのとでは一長一短で、電気自動車だから著しく不利なことにはなりません。

充電が面倒

→ いちいちガソリンスタンドに行くほうが面倒ですし、時間も手間もかかります。ガソリンスタンドが近くになかったら余計です。

電池は劣化してすぐ動かなくなる

→ 13年前の初代リーフは確かにそうでしたが、初代リーフ以外はそうなっていません。アリア、サクラ、2代目リーフやテスラ各車などの現在の状況を確認してください。

EVは整備できるところがない

→ クルマが売れれば、売れた数のぶんだけメーカーとして対応するので問題ないでしょう。そして、そもそも、EVの整備箇所は恐ろしく少ないです。今は足りないというメカニックさんの失業を心配するレベルです。
パーツ供給の問題もエンジンのパーツと違い、解決法が出てきやすいです。たとえば電車のインバーターなど、半導体の世代の入れ替わりでパーツがなくなっていますが、制御ユニットだけを交換して継続して動いているという実例があります。電気の場合、それがガソリンエンジン以上にやりやすくなります。

欧州がEV一辺倒をやめるというニュースがありますが、EV化は進んでいきます” に対して2件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    日産さんのEVランニングコストシミュレーターで試したんですけど。月額700円ガソリンより得だと計算結果が出たんです。外部で給電(遠出)すると毎月数千円赤字なので外部では一切給電しない前提で、年間8,400円お得らしいです。20年バッテリーが問題なく動けば168,000お得らしいです。
    つまり何が言いたいかというと。もっと価格が下がらないと経済的な負担が大きいから私達大多数の貧乏人には買えませんということです。お金持ちの皆さんには高い志と冒険心でガンガン買っていただき、数の力で価格が下がるように頑張っていただきたいです。いつかは電気自動車に乗れるようになりたいので期待してます。

    1. アバター画像 電気仕掛けの家 より:

      コメントありがとうございます。ハイブリッド車に乗ってる人の実態が、燃費で損か得かで考えてるのではなくガソリン車+アルファの満足度でペイしてるのと同様に、現時点のEVもそうだと思ってます。
      ただし、ハイブリッドは2組積んでるのでどうしてもガソリン車以下になるわけがありませんが、EVはそうではないです。今は電池コストに左右されますが、用途に応じて電池の大小があったりして、十分ペイできるものになるんじゃないでしょうか。
      そして、維持費という点では、整備費用が大きく違います。オイル交換がありませんのでその費用まるごと不要です。走行が多くなってくるとエンジンの重整備が必要になることもありますが、可動部分が少ないですから、それもありません。変速するトランスミッションもないので、ミッションオイル交換も通常ないです。その点まで考えればもう少しコスト計算は変わってくるんじゃないでしょうか。
      現状、比較的初期のリーフも、10年落ち以上でなんとか走ってる個体もあることを考えれば、まともな温度マネジメントのある現在のEVなら、10年はかなりいい状態、20年もなんとか持つくらいにはなってると思いますよ。もちろん、その間、ガソリンエンジン車のような整備費用はほとんどかからないはずです。

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