バルミューダの壊れたトースターが簡単になおるというので、実際に試してみた

あるとき、バルミューダのトースターを直す動画が目に入った。電源が入らないもので、基板上のダイオードとヒューズを交換したら治ったというものだ。基板には焦げた跡と、本体フレーム側にも煤が付いている。調べたら同様のものが送料+梱包代程度で入手できるようで、ちょうどいい出物があったので挑戦してみることにした。もし、なおったらバルミューダのトースターがどんなものか分かるので、その興味もあった。
今回のトースターは電源入らずのK01E。バルミューダのオーブントースターの2世代目にあたる製品のようだ。2015年から2019年くらいまで販売され、来たものは2017年製。
基板上のダイオードとヒューズでなおるのか、まず、背面のパネルを外す。ネジ3本を外して上にずらすとすぐ外れ、基板が2枚見える。そのうちの小さいほうが問題の基板だ。そして、同じように基板焦げと本体に煤があった。
動画ではこの基板がなんなのか説明がなかったが、やはり電源だった。GUCFのGCF305P-0510。5V 1Aのスイッチング電源で、ひと昔前ならイーター電機やデンセイ・ラムダの電源基板が秋葉原で簡単に手に入っていたが、そんな汎用品のはずだ。
焦げた部分はパターン面で部品は表面実装の抵抗などがあるだけ。反対側にはコイルとコンデンサーがあるが、基板を突き抜けた様子もないので、パターン面で何かが起こったとしか考えられない。
パターン面には表面実装の抵抗がありそうではあるが、ネットで同様の事例を見ると、どうも、基板上に電気を通すものが乗っており、高温で溶けてパターンをショートさせて発熱して燃えたと考えられる。場所は整流後のプラスとマイナスにかかっているようにも見える。直流141Vがショートということになる。
ただ、わからないのは、この基板自体は年代的にRoHSに合致していて鉛フリーはんだを使っていれば、そんな簡単には溶けない。はんだ以外の溶けて電気を通す物質があったのか、それとも鉛フリーはんだのひげでそうなったのか。焦げた跡ではよくわからない。
ここが短絡すると整流用のブリッジダイオードに過電流が流れて破損して短絡、つぎにヒューズが飛ぶ。タイムラグヒューズで3.15Aだから、電子回路を壊したあとにヒューズが飛ぶということになるんだろうか。
5V 1Aの電源で3Aのタイムラグヒューズだと何を保護するんだろう? 突入電流はそんなに多い? という疑問もあるし、そもそも熱の影響でパターンが短絡する設計や製造ミス、そして、これをここに選んだのはなぜ? という疑問もある。謎ばかり。
5V 1Aの電源をここに置き換えれば修理完了で、USB充電器をバラして置き換えた例もほかで見た。でも、それも面倒なので、ネット情報どおり基板そのままでダイオードとヒューズを交換した。ダイオードは整流用のものなので、昔で言う10D1や今の1N4007みたいのを使えばいい。それなら誰でも持っていそうだ。ヒューズも手持ちのガラス管ヒューズを無理やりはんだ付けして応急とした。
ということでトースターは動くようになった。
続いて考察。