電気自動車はコンセントがないといけないと思ってる人は、災害時には何が起こることをよく考えたほうがいい

まず、最初に言っておきますが、日本のような先進国では、災害時に餓死するとかインフラの欠落で瀕死状態に陥ることはまれです。離島や道路一本の山奥という場所をのぞけば、補給はすぐに来ますし、食料があれば、電気、ガスが1週間くらいなくても死ぬことはなく、数ヶ月も復旧の見通しがたたないということもまれです。

そのような状況で電気自動車による給電機能は必要でしょうか。災害時のリスクと引き換えに負担するコストを考えれば、個人で用意する経済合理性もないですし、無理して入れるほどのことでもないでしょう。

そして、電気自動車の電気は有限です。使いすぎればそこから動くことはできず、補給をするためにはクルマ自体を動かして電気のあるエリアまで持っていくことが必要です。そして、そもそも自動車ですから、必要なときに家にいないこともあります。電気自動車に給電能力があったとしてもその程度なのです。

反対にハイブリッド車やプラグインハイブリッド車にコンセントがあることは評価します。発電機を持っていますので、ガソリンさえ供給できればいつまでも発電できます。ここが大きな違いです。

では、仮に電気が止まって1週間以上復旧しない見通しとなった場合どうなるか。

電気がとれるクルマがあることが周囲が知っていれば、最初は遠慮していた人も電気を借りにやってくるかもしれません。

安易に借りにくる人ほど、電気の量は有限で、なにがどのくらい消費するかを分かっていないことが多いです。スマートフォンの充電も今は急速充電なら20Wくらい。これを10台で200W、それを1時間すれば0.2kWhですが、多くの人が押し寄せればリーフの電気をカラにするなどたやすいことです。ほかにも、電気ポットを持ってきてお湯を沸かさせてほしいという人もいるかもしれません。湯沸かしは一瞬のように思いますが、電力量としては大きいです。もう一度言いますが、機器の消費電力量がどれくらいかきちんと把握している人は少数派です。

そして、ハイブリッド車なら減ったガソリンは別の誰かやコミュニティがガソリン代を負担してくれるかもしれません。携行缶に入れてガソリンを持ってきてくれたり、クルマを横付けしてポンプでガソリンを移してくれたりするかもしれません。しかし、充電の場合はそうもいきません。必ず充電場所まで回送が必要ですし、充電料金も申込終了した日産のZESP2以外では従量料金で割高ですし、後払いなうえ、電気という目に見えないものなので、充電にかかった費用を別の誰かが負担してくれることも難しくなります。

結局、電気自動車所有者の持ち出しになりやすくなるうえ、充電量が減れば、自分の緊急事態にクルマを使うことが難しくなります。緊急事態は災害時こそ発生しやすい状況でもです。

では、給電を断ったらどうなるか。これは地域特性にもよりますが、後々尾を引くことになるでしょう。非常時にケチなことをすれば、後々どうなるかは人生経験が豊富な人ほどわかるはず。しかも、ケチのつもりもないのに電気の知識がない人からは誤解され「ケチ」呼ばわりされることも目に見えています。

以上のことから、給電がしたければハイブリッド車を買えばいいし、どうしても電気自動車でやりたいなら、公的機関の管理のもとで給電するのが費用負担の面からも危機管理上からもベターです。その上で、給電装置が安くなれば導入しやすくなるというものです。個人で持っていればレジャーなどで楽しく活用できるかもしれませんが、電気の量は有限で、家に置いておけば上記のような面倒があることも忘れてはなりません。

結局のところ、電気自動車に安易に給電用コンセントを付けないほういいのではないか、ということになります。

ちなみにホンダeはコンセントをオプションで付けられます。ホンダeは価格や仕様から、実用的な電気自動車の日産リーフやプジョーe-208とは目指したものが違います。個人で給電がどうしてもしたい人は、ぜひホンダeを買っていただき、災害時にどうなるか試して、世に発信していただきたいと思います。

また、どうしても災害時に電気が必要だというのであれば、ふつうに発動発電機を買うのがいちばんです。電気自動車に頼るよりは低コストで確実です。

ガソリンの管理が面倒ならカセットコンロのガス発電のエネポもあります。これならふだんからガソリンを管理する必要もないですし、周りの人がカセットガスを持ち寄って電気を作るということもできそうです。エネポは発電量が少ないと言われていますが、電気自動車に依存するよりはなにかと便利、災害後の人間関係まで考慮すると、かなり良く考えられた製品ということなるのではないでしょうか。

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