無線LAN(Wi-Fi)の電波状況をアルミホイルで改善する理屈はパラボラやコーナーリフレクター

無線LAN機器のまわりにアルミホイルを立てて置いたら電波状況が改善するということは、定期的に話題になっています。改善する理屈としては、コーナーリフレクターアンテナやパラボラアンテナと全く同じで、電波の反射で一点に電波が集められたことで、リフレクターが開いたその方向への指向性が高まるということです。

アンテナの理論を説明しておくと、理論的に360度全方位に送出するアンテナ(アイソトロピック)を基準として、どれだけ指向性を絞るかでその利得が決まります。通信先が1点だとすると、そこに向けて絞れば絞るほど送信も受信もプラスになります。

 

その絞り方はいろいろありますが、かなり絞れるのがパラボラアンテナです。衛星放送という人工衛星からの微弱な電波を捉えるため、ある1点に向けて特化しているアンテナです。設置したことのある人なら、ある1点だけに指向性が向いていることを体で感じていると思います。

パラボラアンテナは円形です。その場合は電波の波の方向が円形である必要があります。

ところが無線LANは一般的に垂直か水平の一直線の電波の波です。有効なのはパラボラよりも、屏風のようなアルミホイルの盾のほうが効果があるかもしれません。屏風形状で電波を改善しようと思えば、電波を送受信する機械のアンテナ部分が縦に波を出していることが必要です。

そして、指向性をもたせるためには屏風の開きの角度やアンテナからの距離が最適化されている必要があります。周波数をもとに計算で最適な点は導き出せますが、これはかなりテキトーでも大丈夫なことが多いです。その証拠に多くの有効だったという結果につながります。

しかし、問題はいくつかあり、有効な条件が揃わないと効果がありません。単に指向性を拡散させるだけで逆効果となることもあります。

そして、MIMOの効果もなくします。今の無線LANはアンテナが複数あり、組み合わせて速度を稼いでいます。リフレクターを使うことで複数のアンテナの利得のバラツキが大きくなります。これが以前のように、複数のアンテナから良い状態のものを連続して選ぶ空間ダイバシティ方式だったらよかったのですが、同時に使って高速化したり同時通信を強化するMIMOの場合、悪い方向に影響がでないとも限りません。

もし、やってみる場合は、根気よく屏風の角度や向き、無線LAN機器からの距離などを変えてみて良い場所を見つけてください。無線LAN機器内のアンテナの場所を確認しておくのもいいかもしれません。

なお、これが逆効果な機器としては、中継機のような反対方向と同時通信するものがあります。ある方向に指向性をもたせると、別の片方が極端に弱くなってしまう可能性があります。無線LAN中継機もそうですが、モバイルルータも同様です。

ちなみに、反射するようなものを無線LANのメーカーが採用しないのはわけがあります。指向性を鋭くするとその方向に電波が集まり、EIRP等の送信出力の規格を超えてしまう可能性があるからです。また、外部に屏風のようなものを立てて電波を強くすることは、違法とはいいにくいものの、本来の規制の趣旨からすればあまり薦められるものではないかもしれません。ただ、一方で不要な方向への電波は減らせるという事実もありますので難しいところです。

 

 

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