電気自動車のこれからは、航続距離とか充電ガーという問題ではなく、メーカーのエコシステムを守るかどうかの戦い

電気自動車のところで、トヨタのテスラに対するスピーチが話題になっています。電気自動車推進派とトヨタ擁護派での論戦もあるようですが、ここから先、電気自動車についてはメーカーが抱えるエコシステムの戦いだと思います。

いまだに電気自動車は充電場所が、とか、航続距離が、とか、別のところでCO2を排出しているからエコではないなどと言ってる人もいますが、そういう人は別に電気自動車を選ばなくてもいいんです。ゼロかイチかの戦いではないのです。

充電は毎日すれば航続距離の問題は関係ないですし、集合住宅などで充電場所がないなら無理に選ばなくてもいいです。別のところで排ガスなりCO2なり出しているというのなら、ガソリンを運ぶタンクローリーの環境負荷はどうするんだという問題と、ガソリンスタンドまでの回送のエネルギーはどうするんだという問題で返したいですし、エンジンの非効率な部分を使わなくてすみ、寒い朝のエンジン掛け始めのあの排ガスの排出と、無駄な燃焼をしなくてもいいだけでも、電気自動車はメリットが多いです。

寒い朝といえば、メーカーによってはアイドルアップをほとんどしないでエンジンがかかるメーカーがある一方で、いまだに、高回転を何分も続けているメーカーもあります。エンジン暖まったときの性能でなくて、全体の性能で見てほしいと思います。

話は戻って、電気自動車はエンジンが暖まるという問題もありません。そして、エンジンオイルという面倒なものがなく、驚くほど少ない整備箇所に驚くはずで、その面の負担が個人の財布にも、環境にも影響してきます。

それはつまり、電気自動車が増えれば販売店の整備売上や整備士の雇用に関わる問題です。エンジンオイルで儲けていた会社も変化を求められるでしょう。複雑なトランスミッションを作っていた会社も変化を求められます。そもそもメーカーとしても部品点数が減れば開発部隊の再編が求められ、一方で自動なになにの安全装備の充実が必須となれば、サプライヤーの力が強くなってきます。

つまり、エコシステムが完成した自動車会社ほど抵抗しないといけないわけで、取り扱い車種の構成もその「抵抗」を反映したものにするのは当然です。

そういう視点でみれば、トヨタがああいうスピーチをするのは当然ですし、テスラ側としては想定内のこと。もしかしたら、「こっちは身軽に先の世の中に突っ走れるけど、トヨタさんはしがらみ多くてたいへんだね」と思っているかもしれません。

そして、自動車会社が変化を阻止するべく血眼になっているような状況ですから、一般ユーザーとしては、電気自動車にできる人はしたほうが得ということになると思います。

夏も冬も騒音も停止時の振動も排ガスもない世界に驚くはずです。普通充電環境が用意できて近所の走行が主の使い方なら、中途半端な高額車を買うくらいなら新車のリーフやプジョー e-208を買う、維持費が安いつもりになって高めの軽自動車を買うくらいならリーフの中古車を買う、どうしてもレクサスが欲しいならUX300eを待つ、くらいで考えると、無理なく、便利で快適な選択ができるのではないでしょうか。










コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください