大手ハウスメーカーなら、オーディオマニアの意向を実際に落とし込める電気の設計士を配置すべき

あるテック系メディアに家を建てるにあたり、オーディオのための電源配線を特別なものにしたという短期連載が載りました。希望を別のライター氏に確認した上で希望を盛り込んだ要望図面を出したところ、ハウスメーカーから実際のものに落とし込んだ図面が来たというストーリーです。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01543/013100006/

この連載記事の残念なところは、希望の図面の何がいけなかったのかがほとんど解説されてないところです。引き込み点からまず、ブレーカーで受けるのはよいのですが、そのブレーカーの型番が単なるモーターブレーカーの60Aであった点です。そのあとで1階2階それぞれの分電盤に分岐されています。

まず、これがダメで、モーターブレーカーでなく通常タイプの配線遮断器を使います。できれば最初に接続するのは中性線欠相保護のブレーカーや漏電ブレーカーとし保護範囲を広げるべきでしょう。中性線の欠相の保護は重要で、一般家庭の電気は単相3線の200Vで、中性線があって100Vを取り出しているからです。中性線がなんらかの理由で外れた場合、負荷具合によって本来100Vのところに最大で200Vがかかってしまう恐れがあるからです。

ハウスメーカーが出してきた図面は、まず通常の分電盤で受け、分電盤内の主幹ブレーカーを通ったのち、2階用の分電盤に分岐させています。通常の住宅分電盤の主幹ブレーカーなら中性線欠相保護も漏電も対応したブレーカーが組み合わせられているからです。主幹ブレーカーは75Aタイプで、これなら幹線をCV38を使っても対応でき、15kVA契約になるので、電柱からの引き込みも太いケーブルを使ってくれると思います。

と、施主の要望に対して、極めて現実的な回答をハウスメーカーがしていると思っていたのですが……。

連載を読み進めると、さらにハウスメーカー側はミスをしている様子。どうやらお互いに分かってない人の伝言ゲームになっているようです。

実際の細かいやりとりは当事者にしか分からないまでも、この記事を読むかぎり、ある程度の規模のあるハウスメーカーはこういった顧客に対する電気の設計士を置き、直接打ち合わせさせることが望ましいと思います

なにより、ハウスメーカーがオーディオ用の電源というオプションとして、設計時の対応窓口を設けることで、住宅メーカー側にとっても付加価値を付けることもできるでしょう。コンセントやケーブルの銘柄指定などもできれば、依頼主のほうも調達スケジュールの調整や、適合、そして、住宅として保証について考える必要もなくなります。ローンに組み込むこともできるので、双方にメリットのある話しです。そして、記事内にあった接地付きコンセントに接地未結線をオーダーするといった危険なこともないでしょう。

やりたいことと、できることや規定を説明しながら打ち合わせていけば、このような失敗談が主の記事が載ることはないはずです。読者が欲しいと思われる情報は、どのようにしたら希望が実現するかというノウハウなので、解決策のない失敗談は単なる読み物でしかありません。

記事に出た旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)はハウスメーカーでも高いほうの会社ですので、なおさらそういったオプションは用意すべきだと思います。



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