接続台数やIoT機器が多いときのネット回線やルータを選ぶときの注意、本当に通信不可になる

ネットに詳しい人でないと分かりにくい話ですが、最近の回線、特にIPv6対応でカプセルで通信する回線では、多数の端末を接続する場合にトラブルが発生することがあります。具体的にはDS-Liteなどで接続するネット回線です。

以前であれば、ネット回線に接続台数が多いときはセッション数の多い性能の良いルータを利用することで問題を回避していました。ここで言うルータとは本当の意味でのルータです。「ルータ機能を含んだ無線LANアクセスポイント」であればルータ部分の性能や機能の話です。

性能のよいルータとは、NECプラットフォームズやバッファローの普及品といったコンシューマ向けのルータではなく、ヤマハやマイクロリサーチなどで、少し高い性能を持つ機種を揃えたブランドのルータを使っていれば回避できました。ルータにIPv4のグローバルIPアドレスが振られていれば、あとはルータのNAT機能の性能で端末数の多いためのセッション数の多さや、通信ができることをカバーできたからです。

ところが、IPv6への移行が進むなかでDS-Liteなるものが登場して、この問題が複雑化しています。

DS-Liteは任天堂のゲーム機の「DS Lite」とは全く関係ないもので、従来ながらのIPv4の通信を行なう際、自分のルータとプロバイダーの先のインターネットの中にあるルータとの間を、IPv6のカプセルにして通信する仕組みです。そうすることで、自分の家とプロバイダー間の通信は、みかけ上、IPv6だけになり、とてもシンプルになるほか、以前のNTTのフレッツ網を使ったインターネット接続のように、IDとパスワードを使うPPPoE接続も不要になります。

しかし、カプセルの先、インターネットの中にあるルータの性能(設定)が問題になります。具体的には、従来、手元のルータで行なっていたNAT機能をプロバイダーの中のルータが担当し、カプセル化してあたかも手元のルータでNATを行なっているようにふるまいます。

そして、そのNAT機能はプロバイダーによって提供されるため。セッション数の限度など、NATとしての性能はプロバイダー内のルータの性能(設定)に依存されます。

参考→ https://www.mfeed.ad.jp/transix/dslite/dslite.html

問題はそこにあります。一般的な個人用プロバイダー内のルータのNAT性能(設定)は一般家庭を想定したものと言われており、通常よりも多くのネット機器が自宅にあった場合にうまく通信できない可能性があります。もちろん、ある程度は手元のルータの性能と安定性も関係がありますが、プロバイダー内のルータの性能(設定)次第で上限が決まってしまいます。

実際に支障が出るのは非常に多くのセッションを張る通信をした場合や、端末数が多くなった場合です。セッションを多く張るネットゲームをする端末が数台あるだけでオーバーしてしまう可能性もあります。また、IoT機器はインターネット側からの通信を受けるためにセッションは張ったままのため、セッション数の限界に達した場合は、通信が不通になったり、使わないセッションが開放されるまで通信が止まったりし、要はネット操作や確認の一切ができなくなります。

最近、たまに聞く話で、Yahoo!のサイトは見れないが、Google関係とFacebookは見れるということがあります。GoogleもFacebookもIPv6化が進んでおり、こちらがわの環境もIPv6に対応していればIPv6で通信が完結するサイトは問題ないことになりますが、IPv4で問題が発生すれば、IPv6対応でないWebサーバーと通信できません。まさにDS-LiteでIPv4の経路がパンクした場合の症状です。

残念ながらこの問題の解決法はほとんどなく、従来ながらのIPv4での通信をやめてもらい、IPv6で通信してもらうしかありません。すべてIPv6で通信すればDS-Liteの仕組みも通る必要がありません。IoT機器もIPv6の通信をしてくれればいいのですが、現在のところIPv6に対応している気配はありません。そもそも、データを通信するインターネットの向こう側のサーバもIPv6で通信していなければ、IPv4の通信が必要になり、DS-Liteの通信をすることは免れません。

また、DS-Lite対応のプロバイダーであっても、従来ながらのPPPoEでIPv4接続し、グローバルIPアドレスが振られるなら、NATの性能のよいルータを使うことでなんとかなるかもしれませんが、最近はプロバイダー内で大掛かりなNATをかけていることもあるので、PPPoE接続でも回避できない可能性は高いです。

なお、これらの問題はNTTのフレッツ系(コラボなんとかも含む)のサービスでの問題です。auひかり、NUROのようにフレッツ網のようなもののないサービスの場合はこの問題は起こりません、ただし、別の意味であまりおすすめできないこともありますので、auひかり、NUROだったら安心とも言いきれません。

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