無線LANルータ選びで安い機種をすすめるには深い理由がある
無線LANルータ選びを何度か書いてますが、基本的にすすめるのはエントリー機種。NECプラットフォームズのWG1200HP4も最下ランクではないにしろ、エントリー機種のうちです。それはなぜか、そのほうがメリットが大きいからです。
まず、消費電力。無線LANルータなどネットワーク機器は常時電源を入れておきます。そうした場合に消費電力は少しでも少ないほうがいいからです。
そして、次に、反対に無線LANルータをスペックの高い機種にした場合にメリットがあるかどうかです。多くの場合、無線LANの速度の数字が大きくなりますが、その多くはストリーム数が増えることです。
もし、端末側が1ストリームしか対応していないのなら、ストリーム数が大きくなることで、1台あたりの速度のメリットはありません。複数が同時に通信した場合に速度が維持されることが大きなメリットですが、複数同時に大容量データ通信をしないのなら意味はないことになります。
次に、高い無線LANルータでよくあるのはメッシュの対応です、一時期、数台をセットにしたメッシュのセットが流行りましたが、これからは、通常のものがメッシュ対応し、必要に応じて買い足すという形に落ち着いていくと思われます。
メッシュは1つのアクセスポイントでは電波が届きにくい家では有効ですが、複数稼働させれば前述のように合計の消費電力が大きくなります。1台ですむならそのほうがいいわけで、メッシュの構成にするまえに、1台の無線LANルータの置き場所や向きを調整して、1台で済みそうな方法を探ったほうがいいでしょう。
そして、電波が届く範囲が広くなったということは、無線を通じた不正アクセスの恐れもそのぶんだけ高まったことになります。1台ですまし、自分の家以外に余計な電波を撒き散らさないようにしたほうが安全です。
ちなみに、Wi-Fi 6対応の無線LANルータでは、無難なベーシックな機種としてバッファローのWSR-1800AX4Sがありますが、5GHz帯、2.4GHz帯のそれぞれ2ストリームです。
その上位機種としてWSR-3200AX4Sがあり、数字だけみたら速度も早く、ストリーム数もそれぞれ4ストリームになって早くなったように見えますが、実際には上位のはずのWSR-3200AX4Sは2.4GHz帯のほうがIEEE802.11ax対応ではありません。
メッシュを無線で組んだときにコントローラとエージェント間の回線が2.4GHzで設定されてしまうと、エージェント側の速度がぐっと遅くなることがあります。つまり、最大4ストリームの意味がないと思われるなら、WSR-1800AX4Sが有利ということになります。
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