扉が閉まるとヒュ~音は設計ミス、排水口の臭いもすべて換気の設計ミス
家の電気設備のうち換気扇は重要です。ですが、換気扇でただ空気を排出していればいいというものではありません。排出するということはその分の空気を取り入れないといけません。それを考えていない例として、お店の自動ドアが閉まった瞬間にヒュ~とかゴ~という大きな風切り音がするお店がそうです。
換気扇は空気取り入れ口とセットで
ゴーという音がするのは吸気がなってない証拠です。それは設計ミスとした言いようがありません。ゴーというほど吸気が制限されていれば、換気扇に負荷がかかり、換気扇の劣化だけでなく最悪、モーターの焼損という自体に繋がりかねません。
そして、吸気が満足でない場合は、下水から空気を吸ってしまい、よくある排水口が臭う……ということにつながるのです。
つまり、換気扇を設置するということは、同時に吸気も考えてやらないといけません。
現在の新築住宅では24時間換気というシステムが備わっています。24時間換気の基本設計では給気口もセットです。そして、その給気口にはフィルターが備わっています。フィルターがあることで外気のホコリや花粉などが家に入らないようになっており、フィルターの性能も何種類かあります。
ちなみに24時間換気システムのため連続運転を想定した換気扇は低消費電力や低騒音などの考慮もされています。古いシステムの場合、更新したほうがいいかもしれません。換気扇自体の価格は下記のリンクのように安いですが、実際の施工となるとまた別で、大掛かりに壁を壊さないと交換できなくなっている例もあります。ご注意ください。
24時間換気でない家は吸気口がない可能性
24時間換気の家では吸気まで考えられていると思いますが、そうでない家には給気口がない場合があります。昔の家は気密性が高くないのでそれでも問題がなかったのですが、下手にリフォームをして気密性が高くなると吸気が不十分となり、排水口から下水の臭気を吸ってしまったり、天井裏に通じるダウンライトの隙間から空気が流れてホコリで汚れるなど弊害も大きいです。
また、音はしていなくても換気扇に余計な負荷がかかり、モーターの早期の劣化や焼損に繋がります。消費電力が上がる可能性もあります。ですので換気扇の設置には十分な空気の流れの確認が必要です。
排水口が臭うのは、薬を投入しても無意味?
排水口からの臭いがあるとして、薬品を投入する対処法がありますが、換気扇などによる空気の逆流ならばその対策は無意味です。下水の先の先まできれいな水が流れ、管にも下水汚れがない状態にまでしなければ臭いはなくならず、それは不可能といってよいでしょう。
そして、そもそも下水には「排水トラップ」という仕組みがあり、換気扇などで強制的に空気を吸い上げなければ下水の臭いは伝わってこないようになっています。臭いがするからといって換気扇をガンガン回していたものの、反対に換気扇を止めたら臭いが止まったということはよくあります。
換気扇の風量を弱める対策も有効
設計が甘い例としてはユニットバスの換気扇もあります。ドアやスリットの吸気容量が全く足りず、換気扇を回すと風圧で風切り音が鳴り響いたり、風呂場のドアがきっちりと閉まらないということがあります。
吸気口を増設することが不可能な場合、換気扇の力を弱めるしかありません。換気扇を交換する方法もありますが、てっとり早いのは換気扇の速度を可変できるスイッチに取り替えることです。
2段階や3段階の調整ができるスイッチがあります。すべての換気扇(モーター)が対応するわけではありませんが、対応を確認してスイッチの交換を検討してもいいでしょう。