シールド線のあるSTPケーブルだとノイズが乗るという話は、ごく一部の事例を極端に解釈しているのでは?

LANケーブルの話で、シールドがあるSTPケーブルを使うとノイズが乗ってしまうので使わないようにということと、STPケーブルにはアースがないと無意味で、機能アースは建物から立て直す必要があるとかいろいろな話があります。

STPケーブルの不具合として検索して出てくる元のページでは、STPケーブルをやめて問題が解決したとありますが、これは正しいでしょう。しかし、一般論にするにはあまりにも極端な事例です。

また、最近、ケーブルメーカーの見解として、機能用接地(アース)がなくてもシールドはあったほうがいいという話もあります。

どちらも正解ですが、2つの話を総合し、過去、オーディオや無線でノイズを解消してきた先人の知恵から導きだした結論はこんなことだろうと思います。

・シールドはあったほうがいい
・ただし、シールド線が電位的に浮いてると、シールドでなくなる
・シールド線の長さによって、ノイズの回り込みが違う(共振周波数の関係)
・機能用接地は同電位というが、LANケーブルの中は立派な高周波。直流時の電位を語っても無意味に近い

シールドを簡単に説明しておくと、シールドとはケーブルの外皮の下に、包んで中を保護するように網線やアルミ箔、銅箔など巻きつけている線です。シールドよりも内側の線は、ノイズなどの影響から守られるということになります。

シールドの効果は、テレビアンテナ線のケーブルがシールド線でノイズを抑えたり、BS4Kのパラボラアンテナのコンバーターからの漏れ電波をシールド線を使って抑えこんだりしている実績から明らかです。オーディオに目を向ければ、ライン入力よりも小さいフォノイコライザーの前の入力も、シールド線だからハム音が入ってこないのです。オーディオマニアならシールド線の効果は自分の耳で体感しているでしょう。建物に機能アースなどなくても、機器の筐体をゼロボルト電位としてのアースで効果が出ているのです。

そして、ケーブルメーカーの記事では、アースによるループの問題を論じています。これは、オーディオや無線でさんざん言われてきたことで、アースは1点アースでループがないことが絶対です。それがなぜか、LANケーブルでは並列アースという名のループが推奨されている不思議があります。

 

 

何が正解かといえば、機器のゼロ電位に接続があればSTPケーブルのシールドの効果はあるということでしょう。ノイズが乗ってしまったのは、アースの問題というよりも、STPケーブルとシールドのないUTPケーブルが途中で継ぎ足されていること。そして、長さの言及がないですが、おそらく共振周波数の関係でちょうど影響のある長さだったのではないかと思います。

たとえば1000BASE-Tは250MHzの信号が乗っています。250MHzの信号の波長は1.2mです。ケーブルが波長の倍数や0.5倍などの長さであると共振しますし、ずれると別の影響も出てきます。これがちょうど偶然に作用して影響が出たと考えられます。

STPケーブルを使うことでノイズが乗る事例があったからといって、すべてが悪くなるわけではありません。機能アースなどなくても、片方の機器のアースと同電位のシールドがあればシールドの効果はあるという記事が出て、自分の考えは合っていたのだと少し安心した次第です。

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