コンセントが使える大容量蓄電池は便利なものだが、注意すべきものもある、EV用充電器で充電できる商品には注意
これからレジャーシーズンということなのか、持ち運べる大きな蓄電池が盛り上がっています。数年前からあるものですが、Youtubeでの紹介など、さまざまな「商品」が出回っています。全部を否定するつもりはないですが、誰かが紹介しているからといって鵜呑みにせず、よく選んだほうがよいでしょう。
まず、大容量の蓄電池はそれだけで安全対策がなければ危険な存在になります。世界ではショッキングな映像付きの事故報告があります。とはいえ、設計者も事故を起こすために作ってるわけではないので安全対策はとっているでしょう。要はどこまできっちり作り込まれているかという問題です。
売るための検査に合格するだけなら必ずしも実用の場面で大丈夫と言えない面もあります。検査項目は決まっていますので、検査項目シフトで設計していて、実利用を考慮されていない商品もあるかもしれせん。例えば充電池の衝撃試験では角度が決まっていますので、決められた角度の衝撃だけに耐えられるように作ることも可能です。落下試験に至っては重い機器は試験なしです。結局は設計者の能力やモラルの問題です。
そこで、選ぶなら信頼できるブランドと行きたいところですが、現時点では新興メーカーくらいで、あまり実績はありません。先行するホンダ(高い)や、Ankerの製品もありましたが、それらは最大出力が小さく、それが理由で新興メーカーの製品を買わざるを得ないという人もいるはずです。
そして、販売方法がクラウドファンディング改め応援購入だとすると、なにか革新的な「商品」に見えてしまい、あまり確認せずに前払い予約をしてしまうかもしれません。
特に最近驚いたのは、電気自動車用の充電器である、全国のEVステーションで充電できるとうたうものです。
「全国のEVステーションで最大3,000Wもの高速充電を可能に」とありますが、ただの3kWの普通充電器です。そして、普通充電の充電場所はほとんどなく、まして一般開放は少ないです。
そしてそもそもEV用の公衆充電器で、電気自動車と関係ないものを充電することをうたうというモラルの低さは、商品の質という面でも疑いたくなるところです。充電場所の規約までは調べていませんが、普通充電器を置いてそうなショッピングセンターやトヨタの販売店でこれを充電しようとしたら止められると思います。
以上のように、この手の「商品」を、革新的商品のように見えるサイトから購入するときは十分注意したほうがいいでしょう。試すことができないだけに、商品説明に辻褄が合わないところがないかどうかや、日本語の正確さなども判断材料のひとつです。安全や財産に直結するものなので、疑ってかかるに越したことはないでしょう。消費者がしっかり選び、安全な蓄電池が残っていくように祈るばかりです。