国内家電メーカーの衰退は起こるべくして起こったと思う

今日は国内ファッション家電メーカーの話が盛り上がってるなかで、ここ最近の国内家電メーカーの衰退というか消滅に向かっている現状を考えてみます。家電といってもいわゆる白物家電の話です。

衰退するのも当然というのは、一部で「性能が良すぎて機能が豊富だから」という話もありますが、私は全くそう思いません。むしろ、性能は低く、使いづらく、ピントを外しているとしか思えない点が多いです。

その象徴として、一時期、似非科学をふだんに取り入れた製品を作ってきたことがすべてだと思います。「マイナスイオン」を代表とするものがそれで、効能に矛盾が多いオゾン脱臭系の製品も、きちんとした性能を求める人にとっては、気持ちよく選べないという状況になっています。また、扇風機の「DCモーター」というマーケティング用語も違和感を感じる人も多いと思います。

オゾン脱臭系の効果はあるにせよ、オゾン自体がインテリジェントを持っているわけでもないので都合よく殺菌してほしいものをピンポイントに殺菌できるわけがありません。オゾンですから効果を多くすれば人体にも影響があり、効果を少なくすれば結局あまり役に立たないという矛盾です。

また、操作性や機能に問題のある「商品」も多いです。どちらかというと意識高い系のひとたちの琴線に触れることに注力、肝心な性能や、当たり前の操作性を持つという点をないがしろにしていることです。これは、白物家電だけでなく、住設機器や家庭用品全般にも言えることです。

その反対に、家電で勢いのある韓国や中国のメーカーの製品を見てみると、基本機能にこだわり、余計な「機能」がなく、性能に見合ったコストという点が評価されるところです。ここを指して国内メーカー品を「機能豊富だから高価」という言い方もありますが、役に立たない機能を放り込んで値段を吊り上げているだけなら高性能でも機能豊富でもなんでもないでしょう。

ちなみにiPhoneとアクセサリーを取り巻くエコシステムを考えると、中心となる機械はとにかく基本性能を上げ、周囲が個性や機能を追加していくエコシステムはなかなか良いと思います。iPhoneで言えば機能はアプリで各々が追加していき、モノとしての個性は豊富にあるケースなどで、ユーザーごとに個性を演出していくことです。

家電も同じで、白物家電ならばとにかく基本性能を充実させることに注力すべきです。洗濯機ならしっかり洗えること。エアコンならすぐよく冷えること。です。もし、単価を上げるのなら、おかしな機能を追加するのではなく、別の方法を考えるべきでしょう。

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