話題のYoutuberの家の建築ミスについて

Youtuberが家を建てたら、グランドレベル(GL)をミスして、クルマを入れるはずの場所にクルマが入れられないということで問題になっています。

そこそこの規模のハウスメーカーでまだこんなことがあるのかと、少し怖くなりました。

解決方法として、1割程度の値引きや倉庫部分を壊して作り直す(これは基礎が弱くなる)などの提案があったそうですが、そんなことでは施主が納得できないことはすごく理解できます。望むものを建てるために設計と建築をお願いし、金額も納得し、建築にGOサインを出したのですから、そのとおりのものを、その金額で納品してほしいというのは当然でしょう。

いくつか動画を見ていますが、途中経過で自分で構想した部分がうまくいってない部分を自虐的に語っている動画があったので、自分の確認ミスやクレーマーなどと言われていますが、これは少し違うと思います。今回、対応を求めているのは、この場所にクルマが入るかどうか、です。

最初からこの場所にクルマを入れることを要望していますし、大きな開口部のシャッターもあり、クルマを入れることは明らかです。

GLについて施主も一緒に決めたということですが、このGLだとどうなるかを素人に判断させるのは酷です。要望を伝えた上で、それを実現するために設計を任せているのですから、GLだけでなくすべての状況に対して、施主の要望がかなえられるのかどうかを確認するのがハウスメーカーじゃないんでしょうか。

もし、これを施主がGLを一緒に確認したらハウスメーカーに責任はない、とか、車庫として設計してないから、クルマは入れられなくて当然、とかでハウスメーカーが逃げたとしたら、なんのためのハウスメーカーなんでしょうか。そんなところまで施主の責任とするなら、自分で勉強して手配して現場監督になり、直接大工さんや職人に頼んだほうがマシです。ハウスメーカーの取り分がなくなるので建築費だって大幅に安くなります。

おそらく、一度家を建てたことがある人だと、ハウスメーカーでも工務店でも、設計とできあがったモノに100%満足したという人は少ないと思います。でも、工事費用に対して大きな利益を乗せて販売しているハウスメーカーなら、ここは100%で提供すべきことだと思います。

すでにBIMや3D CADなど、コンピュータ上でかなり細かいところまで設計ができるようになっています。建築屋に不審が高まってくれば、3D CADで自分で設計して、ほぼ自分で施工管理して建てるということが多くなる時代もやってくるんではないでしょうか。そうなると施工管理だけのハウスメーカーや工務店は不要の時代になり、家がもっと安く、望むものを手に入れやすくなるかもしれません。

施工管理を自分でやるのはたいへんですので、ハウスメーカーは残るでしょう。でも、建築の心得がある人なら、事前に勉強して、半年くらい休職して無給になったとしても、自分の管理で家を建てたほうが半年分の給料よりもお得で、結果もいいことになるかもしれません。

在来工法の木造だと苦しいかもしれませんが、3D CADの出力でプレカットしてくれる木工場や、鉄骨作りなら鉄工所がでてくれば、たとえば骨組みまでは大工さんにお願いし、電気配線と水まわりの配管は自前でやり、その後、間取りまでやってもらいスケルトン状態にし、さらに施主が壁紙を貼り、住設機器を取り付ける、ということも簡単にできる時代になるかもしれません。問題はそういう家にローンを付けてくれるかどうか、また、あたらしい問題が出てきそうです。

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