ヒーターの極端な広告や製品の謳い文句に惑わされないように
季節がら、Youtube広告はもちろん、クラウドファンディングと称したECサイトでも盛んに売られているのが小型ヒーターです。画期的な製品のように宣伝され、小型ですぐ温まるようなことが言われています。
電気ヒーターは通常、セラミックをはじめさまざまな素材に電気を流して加熱させる抵抗加熱です。ですから、出る熱量というのは学校で習うジュールの法則でしかなく、消費電力に対して出る熱量は決まっています。
その熱の出し方の工夫で少ない電力で暖まり方が良かったり、悪かったりしますが、同じような熱の放射の仕方では大きく変わることはありません。こたつは比較的省電力でも温かいのは狭い空間に熱を閉じ込めているからで、こたつの布団をめくればすぐ寒くなることからもわかります。
つまり、ハロゲンヒーターでもオイルヒーターでも基本は電力に対して暖かさは同じです。新しい仕組みや省電力回路があったとしても、抵抗加熱である以上、出る熱量は同じです。省電力=出す熱が少ない、ということからは逃れられません。
また、ヒートポンプ式のエアコンなどと違い、電気が流れたら即熱を発生します。機器自体が冷たいのですぐに暖かみを感じられないかもしれませんが、発熱体に手をかざせばスイッチを入れた瞬間から3秒もたたずに熱が出ているのが感じられるかと思います。
つまり、小型ですぐ暖風が出るという広告のヒーターは極めて当たり前の性能を示しているにすぎません。ただし「×分で×畳の部屋がぽかぽか」のような文言は、広告に前提条件が書かれていないので嘘とは言い切れませんが、熱量的にかなり無理があるといわざるをえません。
なお、小型のヒーターは600Wや800Wなどというものが多いです。100Vなら電流にして6Aから8A流れます。同じ回路で同時に使うものによっては分岐ブレーカーが落ちたりします。デスクトップPCや有機ELテレビなど消費電力の大きな機器と同時に使う場合には十分注意してください。年末年始の楽しみな番組を録画中に電源がバチっと落ちる、ということのないように。
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