震災とエネルギーと家

今日1月17日は阪神・淡路大震災から23年目。少し復興に関わった身からすれば、災害に対応した家、というか備えは必要です。

ただし、自分なりにはいくつか世間で言われていることに異を唱えたいです。

■意外に家は崩れない

まず、意外に家は崩れないというのは本当です。東日本大震災を見れば、津波以外で家の崩壊は思ったよりも少ないはずです。また、そのほかにも大地震は数多くありますが、家の崩壊によるけが人や死者は意外に少ないことがわかると思います。

耐震基準にしても、古い基準の家は必ず壊れるかというとそうでもありません。地震の揺れ方向や、家の状態、そして2階に重い物を置いているなど、個々の事情に左右されると言ってよいでしょう。

■災害のためのいわゆる“備蓄”はほぼ不要

そして、備蓄という食料ですが、これもほとんど必要ありません。なぜなら近代の日本の災害で餓死した人はほとんど聞いたことがありません。災害がおきれば孤立してしまうエリアの人は必要ですが、都市部の人ならまず問題ありません。2~3日食べられてなくても死にませんし、それまでに補給があります。

都市部でも食料が必要というのであれば、地震後の空腹は不安感が助長され、判断を誤ったり無用のトラブルを生むための対策ということでしょうか。自分がそういう性格だと思うなら食料備蓄もありでしょう。その程度です。

備蓄のために非常持ち出し袋を用意している人もいますが、これも役に立つか怪しいです。使わないものはいつしか押入れの奥にしまわれます。地震で荷物が崩れたら取り出せない可能性があります。また、使わないものはメンテナンスがされていないため、ラジオの電池が切れていたりして使い物になりません。そもそもラジオの使い方すら知らなかったりします。きちんとメンテでき、すぐ持ち出せる場所に置いておくことができるならばアリというものです。

もし、備蓄するなら普段のものを多めに用意しておくとか、電源関係ならUSBのモバイルバッテリーを複数ローテーションで使っておくなどです。ラジオもスマホにはFMラジオ機能があるものもあります。すぐ使えるよう、普段から使い方を練習しておくくらいでしょうか。災害用として別のものを用意すると、必要なときに使えない可能性が高いです。

■ふだんからの防災対策のほうが重要

最後にふだんからの防災対策ですが、地震で崩れない家を無理して建てても、メンテナンスが行き届かないなら無意味です。

阪神・淡路大震災では、ライフラインの電気が復旧したとたん、あちこちで火の手が上がりました。これは、家の崩壊で電源線がショートするなどしているなら仕方がない面もありますが、電気ストーブの付けっぱなしや、熱源のそばに燃えやすいものが置かれていたなどの問題です。

ふだんから、電気ストーブの置き方や使い方はもちろん、避難時にブレーカーを落とすといった行動次第で新築住宅を灰にしてまったり、古い住宅でも難を逃れたりします。

また、最近では感震ブレーカーというものもあります。大掛かりなものでなくても、重い玉をブレーカーのレバーに結んでおくというバカバカしいくらい簡単なものもあり、こんなものでも火事を防いでくれたかもしれません。

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