エコフローは謎すぎる。本家がきちんと説明すべきなのに、“案件”動画に任せきってる不安

EcoFlow(エコフロー)が太陽光や蓄電池を使ったシステムを動画配信者に売り込み、たくさんのタイアップ動画を出させているようです。それ自体は一般的な広告宣伝活動なのでなにも言うことはないのですが、エコフロー自身からの情報発信が少なすぎることで、実際にどんなものかが分かりにくいというか分かりません。

たとえば「EcoFlowパワーシステム」は現在、ニュースリリースを打ち、家電系ニュースなどで取り上げられています。動画広告も出ています。設置が簡単や機器構成がシンプルになったと訴えているように見えますが、実際、何がどう簡単なのかがさっぱりわかりません。

例えば太陽光からチャージコントローラーを介してバッテリーを充電し、それをAC電源として供給する場合、ユニットが多いか少ないかは使い方によります。エコフローの言うように数十個もあるんでしょうか。構成方法によっては意外にシンプルなはずです。また、接続するケーブルにしても汎用品を使えばジャストサイズになりますが、EcoFlowのものは専用品のようで、きちんとジャストサイズになるのは不明です。

また、動画系では紹介されている「EcoFlowスマートホームパネル」ですが、エコフローから詳細な説明書が出ていません。配線部分も文章による説明で、詳細な配線図がないのでよくわからないうえ、日本語訳が日本の標準的な電気工事の用語になっていないので、二重にわからないことになっています。

動画をいくつか見たところなんとなくわかってきましたが、EcoFlowスマートホームパネルを直列に入れる配線のため、分電盤の中で、端子台などにつかない配線の継ぎが発生します。しかも、ケーブルがVFF(ふつうのコード)に見え、太さは容量的に合っていても電力ケーブルではないものになっているようです。

EcoFlowスマートホームパネルでは自動的にエコフローのポータブル電源からの供給に切り替わるという機能がメインですが、これも系統と連携していないため、電源の切り替えには一時的な電源断が発生します。電灯や充電器などならいいですが、情報機器には供給しながら切り替えはできないことになります。一般的な蓄電池システムの場合、停電時は手動で起動を要します。それは系統と交流のサイクルが同期していないためで、自動で瞬間断をはさみそのまま供給し続けるのは問題があるからです。

また、動画のなかで言われている、各系統の電力量が分かるという点ですが、これは、パナソニックの分電盤「スマートコスモ」なら分岐ブレーカーごとの電力消費状態がリアルタイムにわかります。HEMSとして旧型も含めて10年以上の実績のある製品です。しかも、EcoFlowスマートホームパネルは最大10系統なのに比べ、スマートコスモは最大43系統です。

どうも画期的な製品のように見せていますが、今まで積み重ねてきたものを否定しただけの製品のような気がします。今まで安全や電気機器の安定動作などで考えられてきた実績を活かしながら、さらに利便性の高いものにするか、もし、低コストにする上で犠牲にするものがあれば、きちんと説明すべきではないでしょうか。

ちなみに、太陽光発電を使ったオフグリッドについては、エコノミーでもエコロジーでもメリットはないように思います。電力利用時間のシフトに多少は役立つかもしれませんが、どうしてもオフグリッドにしたい事情があるほかは、系統連系して売電と買電を連続的に切り替えていくことこそが、電気を無駄なく使う方法です。

なお、エコフローのシステムをうちにも「貸せ」というわけではないです(笑)

 

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