安全対策って付いてりゃいいってもんじゃない、質が何より重要、過充電防止回路なんてあって当たり前

非常時にも役立つはずのモバイルバッテリーですが、わりと身近で焼損事故が起こり、電車も止まってたいへんでした。続報ないのでそれがどのブランドのモバイルバッテリーかわかりませんし、どういう状況で燃えたのかもわかりません。どこかが報じてくれることを待つばかりです。

ここで問題になるのが、火災事故なんてものは電気があればなんでも起こり得るということ。そして、モバイルバッテリーやUSB充電というのは2A以上の電流が流れることもあり、簡単に火が出るということです。

そうなると、どこどこのブランドのバッテリーは「過充電防止」「過電流防止」の機能があるから安心というお決まりのキーワードが出てきます。これ、コンセントの延長コードでは非常に怪しい「過電流防止」と同じです。

延長コードの過電流防止機能っている? 本当に役立つ?

モバイルバッテリーで「過充電防止」や「過電流防止」は当たり前の機能です。リチウムイオンバッテリーは充電制御が絶対に必要なので、ふつうに充電制御のなかに「過充電防止」は含まれます。というかないとまともに機能しません。

そんな状況のなかで、ことさらに「過充電防止」があることを強調するのは、回路の知識がない人が書いた宣伝文句という可能性があるほか、技術に対して正直なブランドではない可能性もあります。

過電流防止についてもそうです。バッテリーの制御の一環としてそういう機能はありますし、むしろこれをわざわざ無くしてコストダウンする理由がわかりません。ことさらに強調すると逆に怪しくなります。そして、実際に過電流防止がきちんと動作していたとしても、正常時で2.4A流れるようなバッテリーなら、正常出力のまま何かを発火させるほどの威力があるのは通常です。

また、さまざまな過酷なテストをパスしていることは、あくまでサンプル調査に過ぎません。安定した品質で製造ができているかは別問題です。そして、安全のノウハウは、実際に使われているなかでのトラブルからフィードバックされて蓄積されてるもので、検証設備のある修理拠点がなく、新品時の試験の写真だけ出しているところも疑わしいメーカーと言えそうです。修理時に代品が届けられるだけで故障品を回収しないのも怪しいです。

じゃあ、どんなメーカーが安全なのかと言えば、これも難しいです。そして、価格に比例するわけでもないです。少し前ならリチウムイオン電池も製造しているメーカーと同じブランドが安心と言えそうですが、別部署がやっていたりして、それも確証がありません。

言えることは、発売からある程度時期がたっており、評判も蓄積された機種が比較的安心です。ただ、ベストセラー機は途中で仕様変更されるものなので、途中で価格が変わるなどした際には、新ロットでの評判を再確認したほうがいいかもしれません。

また、逆に、トラブル覚悟で運用するのもいいかもしれません。一気に爆発ということはないとして、充電や使用の際にはなるべく人が近くにいる状態で使う、などです。

ネガティブなまとめになってしまいましたが、目に余る状況なので、書いてみました。

 

 

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