延長コードの過電流防止機能っている? 本当に役立つ?

ある延長コードの類いの新製品情報に「過電流防止」のブレーカーが付いているというの目にしました。実はこれ、ほとんど不要というか役立ちません。その証拠に電線資材も扱うようなメーカーの延長コード類に過電流防止機能が付いてるものはほぼありません。パナソニックにも一般用になく短絡防止機能まで付いたものがごく一部にあるだけです。

子ブレーカーは20Aで遮断

今日、目にした新製品の過電流防止機能は1500Wとなっていました。100V想定なので15Aのブレーカーが付いていると思います。しかし、タップの先のほうに過電流防止だけの簡易な15Aのブレーカーがあってもほぼ無意味です。

通常、コンセントに通じる分電盤の分岐回路の子ブレーカーは20Aです。延長コードの過電流防止のブレーカーが15Aなら、15A~20Aの間でしか役に立たないことになります。同じ分岐回路内に他でも電気を使っていることや、そのくらいの差であれば実際問題として許容されるのでさらに過電流防止機能は役立たないことになります。

そして、ブレーカーというのは定格電流を超えたら即遮断というものではありません。電気設備の技術基準の解釈第33条第2項では30A以下のブレーカーは定格の1.25倍で60分、2倍で2分で遮断すると決まっています。ですので、15A~20Aの間の過電流防止機能で遮断されることは極めて限定的と思ってよいでしょう。

短絡保護は別機能、ショートの保護はされない?

しかも、分電盤の子ブレーカーには短絡保護機能が備わっています(うんと古い型を除く)。短絡(ショート)も過電流のうちですが、瞬時に遮断するため通常の過電流で遮断するブレーカーとは別の仕組みが必要です。

ですので、コンセントの隙間にクリップを落としてショートさせたり、ピンセットの両側をコンセントに挿してしまうということに対しての保護は、分電盤の子ブレーカーが落ちるだけで、延長コードに付いてる過電流防止機能はここでも役立ちません。

そして、そもそもですが、ブレーカーというのは大電流がかかったときに接点を引き剥がす能力が求められます。徐々にオーバーしていった場合は引き剥がしの動作が行なわれるかもしれませんが、大きい電流がかかったときにはスパークや溶着なしにきちんと引き剥がすにはそれなりの力が必要です。延長コード内蔵の小さいブレーカーにその能力があるとは思えないものもあります。

分電盤にあるブレーカーというのは確実に引き剥がしが行なわれることまで計算されたものが設置されています。

どちらかという余計な接点が増えることでトラブルを引き起こす原因がひとつ増えます。個人的には百害あって一利なしと思っています。

ちなみにパナソニックで数少ないブレーカー付きの延長コードはWCH4772です。OA用でブレーカーも本格的な短絡保護機能が備わっているもので、万一の電源遮断範囲を最小限に食い止められます。ここまでのものであれば過電流防止機能も役立つとは思います。

過電流防止機能でトラッキング現象は防げない

ちなみに、劣化して断線しかかった電線が発火したり、コンセントの隙間のゴミが燃えたりするトラッキング現象は過電流防止機能では防げません。なぜなら過電流は流れていないからです。

なお、良い延長コードにはいくつか条件がありますが、そのひとつに内部にはんだ付けを用いないことです。発熱時に溶けて外れてしまいます。過電流防止機能はまだしも、はんだ付けナシをうたっている製品というのは少し安心できます。


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