BEVへの批判について、まとめ反論
BEVについてオワコンと言うような言動が多いです。アーリーアダプターに一巡したという考えもそうですが、良し悪しも少しずつわかってきた経過点だとも思っています。そして、国内では、産業保護のため、技術進化とは相反する考え方をベースに踊らされているような気もしています。
ところで、冬場になると必ず言われるEVに乗るとバッテリーがなくなって凍死するという話。実際、エネルギーの蓄える量はそれほど変わらないため、BEVだから、ICE車(ガソリンやディーゼルエンジン車など)だからという問題ではなく、エネルギー補給と運行スケジュール次第ではないでしょうか。ここは本当に冷静に考えてほしいです。
そのうえで、ガソリンは携行缶で補充できるが、EVはそうじゃないと言われていますが、近くにコンセントがあればなんとかできる可能性があるEVと、液体を物理的に運ばないとエネルギー補給ができないICE車の差は、むしろ互角なのではないかと思っていますが、どうでしょうか。
そして、経年劣化に関する問題。バッテリーの劣化について代替バッテリーの供給や価格について問題だと言っている人もいますが、主なものでは初代リーフ以外に、バッテリーが目に見えて劣化するクルマはないと言っていいです。
クルマの寿命が走行20万キロだとしても、テスラをはじめ今の普通のBEVなら多くても2-3割の劣化で20万キロを走り切ることができそうな勢いです。ですので、バッテリーの交換が高価だとか、交換するならクルマまるごと全交換だからエコではないと論じること自体が無意味です。
BEVだと部品供給がすぐ終わってしまうようなことを言う人もいますが、そもそも交換部品等が圧倒的に少ないので、ICE車のような部品交換は必要ありません。みんな大好きタイミングベルトもありません。
エンジンはピストンやカムなど0.01mm単位で整備が必要で、それらの摺動部分のパーツ供給がなければ、いい加減な整備をしてきたクルマが10万キロを超えることが難しいです。ところが、電気モーターは回転するところだけ精度が保たれればよく、調整箇所も交換部品もほぼないと言っていいでしょう。通常は切り替えの変速もありません。電子回路の劣化による交換については、ICE車も燃費を絞り出すのに電子制御の塊ということを考えれば同じ。むしろ、センサーが少ないことからBEVのほうが経年劣化については有利です。
テスラはフレームが一体だから事故したら大部分が交換になることが良くないという人もいますが、それはBEV関係なくギガキャストだからであって、現在のBEV否定派のよりどころのトヨタ様が盛んに導入予定アピールしている技術です。トヨタもギガキャストを目指していくことについてはどう考えるのでしょうか。
そして、BEVは事故ですぐバッテリーや車体全損になると言う人がいますが、そこまでの事故はICE車で言うフレームが大きく歪むほどのことになります。構造的にバッテリーケースでも車体剛性をまかなっているのですからやむを得ないでしょう。ICE車でフレームが大きく曲がったクルマを直して乗り続けますか? と問いたいところです。
ちなみに、水素については、燃料電池以外に実用的な活用の方法はないと言っていいでしょう。トヨタがやっている水素エンジンは、現時点ではエンジン車にノスタルジーを感じる人のための趣味的対応。エンジンについての発表の場が改造車の祭典であり、どの層の人に向けたスピーチか、前提条件が何なのかをよく踏まえて判断するといいと思います。
欧州勢の一部が水素エンジンを開発という点は、新たに水素エンジンを作るのではなく、現存するエンジンや技術をカーボンニュートラル化して延命するための手段としてという側面が強いです。プレイヤーは完成車メーカーではなく部品メーカーということに注目してください。もちろん、トヨタもその部分は考えているはずですが、完成車メーカーであるトヨタは既存のクルマを延命するよりも新車を買ってほしいはずなので、既存車の延命に向けた開発をしているとは表向きには言わないと思います。