分電盤は回路数が多いものを、戸建てなら20個以上、感震ブレーカーのためにも
分電盤選びは基本的に設計士や電気工事担当者にまかせておけばよいのですが、回路数は多めのほうがよいです。4LDKの戸建てなら20回路分くらいは欲しいところです。
4LDKなら4部屋、リビング、ダイニングキッチン、風呂洗面、トイレ×2、玄関で10回路、キッチンは別途大容量機器のための回路を最低でも1系統をプラス、食洗機、火災報知器、IHクッキングヒーター、給湯器で、EV充電器6回路を足してこれだけで合計16回路です。
この数でも分電盤は20回路分のスペースを持っていて16回路の子ブレーカーが付属しているものを選ぶことになります。
具体的な型番は、現在の東京電力や関西電力ならリミッタースペースなしの16+4回路で主幹ブレーカーが50Aタイプ(60Aまでか10kVA契約対応)なら、パナソニックなら「BQR85164」になります。IHクッキングヒーターやエコキュートを設置する場合は子ブレーカーの容量が異なるので最初からブレーカーがそのように組み合わせている機種を選んでください。
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ブレーカーのスペースを多くするのには理由があります。この先、サーバーやマイニングマシンとまではいかないにせよ、停電しては困るようなコンセントは別回路にできるからです。全体的な容量オーバーはどうしようもありませんが、回路ごとの容量オーバーやショートに対しては子ブレーカーが切れるため、停電が限定的になるからです。
そして、子ブレーカーのためだけではありません。例えば感震ブレーカーの設置にも1つ分のスペースを必要としますし、太陽光発電も2次側に接続するなら3つ分のスペースを必要とします。将来のためにもスペースはあったほうがよいからです。
なお、2016年あたりから東京電力ではスマートメーターにアンペアブレーカーが内蔵されるようになったので「リミッタースペース付き」の分電盤が不要になっています。分電盤の横幅が小さくなったこの機会に多めの子ブレーカーを収容できる分電盤を選び、14回路といった小型の分電盤は絶対に選ばないようにしましょう。
ちなみに先日見た、自称、家電に詳しい人の家の写真では分電盤への幹線が8スケアの細い幹線だったことに加えて最大14回路の分電盤が付いていました。最近の家ではないのから仕方がない部分もありますが、子ブレーカーの範囲が部屋ごとでなかったり、重要なコンセントが独立回路でなかったりしていると思われます。電気仕掛けの家を目指すならこのようなことのないようにしましょう。