東日本大震災(3.11)のような大地震の備えはこれ? ~家の設備編

東日本大震災(3.11)のような大きな地震があったとしても、よくよく考えてみると地震そのものへの備えはあまりしなくていいような気がします。3.11で被害にあったのは津波や原発事故がメインとすれば、対策は住んでる場所を変えるしかありません。

では、何が参考になるかというと阪神大震災ではないでしょうか。都市部で発生、家屋倒壊が亡くなる主な原因ということから、自分でできる対策として参考になります。

まず、これが大前提ですが、地震でも倒壊しない建物に住み、重い家具の下敷きにならなければあまり備えをしなくていいように思います。関東地方ならば大阪よりも地震は多く、阪神大震災で倒壊するような建物があったとすれば、震度5程度でも何らかの損傷は起こっているはずですが、実際はそうでもないことから、あまり心配しなくていいかもしれません。

阪神大震災の場合は神戸の中心部こそ震度7でしたが、震度4の地域でもけっこうな数の損傷がありました。ところが、東日本大震災の東京は液状化現象こそあれ震度5でも倒壊家屋は十数件。家の多さも考慮すれば、最近の家ならばすでに地震対策は完了していると言えそうです。

圧死を避けるためには、住まい方が重要

最近の家ならばほぼ大丈夫でしょうということが第一として、次に大事なのは住まい方ではないでしょうか。例えば2階に本がたくさんある家とそうでない家では同じ揺れでも結果は異なります。

そして家具の配置です。家具が倒れる先に寝ていれば圧死の可能性があります。また、あまり重くない家具、例えば大型テレビなどでは足元の固定がある程度有効です。地震の横揺れで家具が移動しないためにも家具の足にゲル状の固定具を付けるのは賛成です。

阪神大震災では、震度7の地域では横揺れでモノが激しく飛んでいる光景がありました。家具が勢いよく横移動すれば、それだけで家具と壁にはさまれ、打撲や圧死の可能性があります。

ただ、家具をむやみに壁に固定することには疑問を抱いています。固定することが良い例としては、書棚が固定してあれば本が少しずつバラバラ落下してきます。書棚ごとまとめて倒れるよりも安全で、固定の効果はあるでしょう。

しかし、扉つきで本が落ちてこないような書棚なら、書棚と本の重さが壁のアンカーにかかります。石膏ボードなら抜けるか壁が割れてしまうかもしれません。本格的に建物の躯体に固定していた場合、建物の倒壊を誘発しないかも心配になります。

また、天井に突っ張って固定する棒は本当に耐えられるか疑問です。なぜなら天井パネルがつっぱりの力に耐えられそうにないからです。鉄筋コンクリートにクロスを貼った程度の天井なら強度がありますが、通常は重量級家具を揺れのなかで支え続けられるとは思えません。外れた突っ張り棒が下に落ちてきて人間を直撃しないか心配になります。

ですので、丈夫な家の次にあるのは、揺れた際でも生存空間を作る家具配置、そして、家に負担が大きな住まい方はしないということに尽きるのではないでしょうか。

本をはじめ重量物が多い家は小手先の揺れ対策をするよりも重量物を減らすということを考えたほうがよさそうです。

火事はやっぱり困るので感震ブレーカー

死因としては比率は多くないにせよ、地震の後に家財道具を失う火事は避けたいです。阪神大震災では電気復旧後の火事が多かったことで、今、感震ブレーカーが注目されています。

感震ブレーカーについては、まとめています。
3.11に備えて感震ブレーカー(BQX702)を分電盤に導入した~装着・設置編
3.11に備えて感震ブレーカー(BQX702)を分電盤に導入した~購入編
地震の火事対策に有効すぎる感震ブレーカー

設置例で紹介したパナソニック以外にも日東電工もテンパール電工も後付できます。ただし、分電盤があまりに古い場合は故障や劣化以外にも分電盤ごと交換が望ましいです。

なぜなら分電盤の安全対策も年々厳しくなっており、家屋倒壊の火事対策で有効な「主幹中性線欠相保護付き漏電遮断器」や「コード短絡保護用瞬時遮断機能」は現在の標準です。

もし、コードがショートした場合、昔なら一歩遅れてアンペアブレーカーが先に落ちることが多かったです。しかし、今は子ブレーカーが短絡を検知して子ブレーカーだけ素早く遮断する機能があるので、あまり配線に負担をかけず、必要な一部だけ電気を止めることができます。

「主幹中性線欠相保護付き漏電遮断器」は言葉が難しいですが、電柱から来る3本のうち、中性線だけがなんらかの原因で切れると、100Vのはずのコンセントに最大200Vかかる可能性がありますので、そうなった場合に遮断する機能です。

地震で家が損傷した場合、どちらも有効です。中性線が欠相した場合は即、家全部を遮断が望ましいですし、家の一部が壊れて配線がショートした場合、半分に関係する部分の電源が遮断され、残りは電気供給が止まりません。夜間の避難の影響を抑えることができます。

ですので、分電盤が古いなら最新のものに交換するだけで、わずかでも地震後の火事対策になるはずです。

できれば感震ブレーカーの搭載や、同時に配線のチェック、さらにはコンセントやスイッチの劣化チェックも行なっておきたいところです。割れたコンセントや緩くなったコンセントは本当に危険です。

 

ちなみに「ショート」とは短絡です。プラスとマイナスが0Ωでつながることです。電線を2本まとめてハサミやニッパーで切るような場合に起こります。よく「接触不良で抵抗分を持って発熱してコンセントが燃える」ことを安易に「ショート」と呼ぶ人がいますが、事後の対策を誤る可能性があるので、状態は正確に言うように注意してください。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください