コロナウイルスで車検の延長措置は得か? 電気自動車(リーフ)の車検は非常に安いが今回はどうか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で、クルマの車検が延長され、2月~3月と4月8日または4月17から6月30日までに車検満了のクルマが7月1日まで伸びることになりました。うまくやれば得することもありますが、エコカーの最高峰の電気自動車も含めていつ車検をとれば得なのか考えてみました。

いつまで車検が伸びる?

基本的なこととして、7月1日まで車検が延長されるのは以下の車検満了日になっているクルマたちです。

  • 東京など7都道府県→ 令和2年28日~3月31日、4月8日~6月30日
  • その他→令和2年28日~3月31日、4月17日~6月30日

単に車検を受ける期間が猶予されているだけかと思いきや、場合によっては得します。得するところは「自動車重量税」です。

たとえば、2月28日が車検満了の日だった普通の乗用車が6月中に車検を受ければ、有効期限は令和4年7月1日になります。重量税はもともと2月28日までとして払っていたものが、追金なしで6月30日まで延長になります。

重くて古いクルマほど得に

車検の費用の内訳は別のところで調べていただくとして、法定費用のうち、自動車重量税は大きく、例えばエコカーでない1.3tくらいのクルマだと2年分で2万4600円です。月あたり1025円で、2月28日までだった人は約4カ月延長で重量税が4100円分お得になることになります。また、重量税は13年と18年に重課になるタイミングが来るので登録から18年以上たった重さが1.7tの大型セダンだと5万400円で月あたり2100円、4カ月なら8400円です。

ところが電気自動車である日産リーフはエコカーなので自動車重量税もエコカーの税額です。リーフの重量税は最新の1.5t超えのグレードを除けば1.5t以下なので2年分で1万5000円で1カ月あたり625円です。4カ月分で2500円しかお得になりません。ほかのハイブリッドカーなどでもこの金額です。

つまり、自動車重量税が高いクルマほど伸長措置で得する金額が大きいということになります。

ただ、自賠責保険(強制保険)は本来の期限から次の車検満了日まで含むように加入しないとならないので、2月28日までだった人は通常は24カ月分ですが、自賠責保険の期限によっては28カ月分加入しないとなりません。通常は28カ月で入ることはないので、料金は不明ですが24カ月よりは高くなり、車検費用の総額は通常より高くなります。

車検期限の伸長でデメリットも

すでに多くのクルマが伸長措置に乗っていると思います。そうすると7月1日間際に車検を取る人が増えて大混雑します。カーディラーでも独立した修理工場でも予約がいっぱいで受け付けてくれないということも考えられます。すでに、延長されたものが溜まって5月は混雑という予想もありますし、6月はもっと混雑すると思います。

そして、これは永久に続きます。最大延長したクルマが多いとして7月1日が期限のクルマが多くなってしまった場合、2年ごとに6月末が混雑するかもしれず、ずっと車検に困るクルマになるかもしれません。

最後にもうひとつ問題です。車検は延長できても自動車税の猶予措置は発表されていません。自動車税は5月末が納期限で、収めていないと6月以降、車検が通りません。

車検はのびても自動車税はのびないのは、要は車検は店に出向くから自粛措置に関係あるけど、自動車税は払うだけだから自粛関係ナシ、ということでしょうか。そして、自動車税は都道府県税というのもあるかもしれません。

ちなみにリーフの車検は安い

ここまで、法定費用の話をしていましたが、車検といえば通常は整備も行うため、規定の消耗品などを交換することになります。検査次第ではもっと大きなものの交換が必要になるかもしれません。そして、今はなにかにつけて理由を付けて電気自動車を否定している人でも、車検をはじめ整備費用の安さに驚くかもしれません。

まず、レシプロエンジンがありませんので、消耗品が一気に減ります。エンジンオイルはもちろんありませんし、エンジンのような精密なピストンもなければバルブもなく整備する箇所は本当にありません。そして、変速もバックギアもないので駆動系が圧倒的にシンプルです。そもそもアイドリングしておく必要がないため、アイドリングという無駄もなく、発進操作のためのメカニズムが不要でクラッチも流体継手も不要です。それは整備費用に直結します。

とはいえ、ガソリン車でもメンテなんて今はあまりなく、今やエンジンも長寿命な一方で壊れたらクルマごと使い捨てなのであまり変わらない、と言われてしまえばそれまですが、それでもオイル交換はある程度必要です。考えてみればオイル交換きっかけでさまざまな整備や物販に直結させる業界なので、電気自動車を否定しなければならない業種の人も多いはずです。

また、自動車税も最低ランクの1000cc以下になり、今買う新車なら年額2万5000円、2019年9月以前なら2万9500円です。1800ccのエンジンを積んだハイブリッドカーよりも1万円安いことになります。

結局はふつうに車検をとったほうがいいかもしれない

車検の伸長措置に乗ればすこしは重量税を得するかもしれません。しかし、対して得にもならないばかりか、将来の車検が面倒になるくらいなら、ふつうに車検を受けてしまったほうが得かもしれません。もしかしたら2年後の3月や4月の車検は少なくなり、若干の値引きも期待できるかもしれません。

今、先伸ばしにしている人で特に重量税が安いクルマの場合は早めに車検を済ましてしまったほうがいいでしょう。





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