6kW普通充電の設備をつけたら電気代や契約はどうなる<リーフ e+対応> 三相交流もありなのか?

6kW普通充電の充電ケーブルやコンセント、分電盤までの配線が整ったとしても問題は電気の契約です。6kWというのはざっくり言うといわゆる60A契約の容量いっぱいを使い続けることになり、仮に60A契約なら他のものは全く使えないというくらいの状態です。

では、ブレーカーが落ちないように10kVAや12kVAの契約をしてしまえばいいと考えますが、そう簡単な問題ではありません。

まず、容量を上げれば上げるほど基本料金が高くなります。従量電灯Cの基本料金は1kVAあたり280円80銭(東京電力エナジーパートナー)ですので、2kVA上げることに月額561円60銭上がります。

ですので、基本料金は従量電灯Bの60Aが1684円80銭だったのが従量電灯Cの10kVAだと2808円になります。従量電灯BおよびCの電気の1kWhあたりのレートは同じですので、そこは変わりません。

4kVAぶんを上げたとしても月額では1123円20銭が高くなるだけで、無理に電流制限をするよりも契約容量を上げてしまったほうが簡単で、充電も早いと思うかもしれません。デルタ電子のQ-VECでいえばデマンドコントローラーを装着したり、もともと電流制御のある充電器を使うなどすれば費用もかかりますし、制御がかかればそのぶんだけ充電時間も長くなるので、いっそ上げてしまおうと思うかもしれません。

その際、問題になるのが幹線の太さです。家の外の引き込み線取付点から電柱までの電線の張替えは、東京電力なら無料でやってくれますが、引き込み線取付点から家側は自分の費用で工事をしなければなりません。それを取り替えるとなると、場合によっては家の壁を壊して中の配線を交換する必要があり、非常に大掛かりです。

最近の家なら14sqの電線で幹線が張られていますので、12kVAまで大丈夫なことが多いですが、新しいのになぜか8sqの幹線の家もあり、それだと60Aまたは6kVAを超える増量はできません。

そう考えると、単純に容量を上げるよりも家の電気使用量に応じた電流制限をするほうが現実的です。

実際に手続きは、幹線の太さだけ十分ならば、電力会社に増量を依頼するだけです。場合によっては申込書の必要があるかもしれませんが、実際の工事は電力会社にまかせておけば大丈夫です。

一方で、いわゆる「動力」と言われる3相交流電源を得る方法もあります。電力会社のメニューでは「低圧電力」とされているものです。3相交流を使った6kW普通充電ケーブルがありますので、これを3相交流に繋げばいいのです。電力の単価は15円/kwhほどで通常の電灯線契約の半分くらいと安いです。

事業者でなく一般家庭に3相交流の引き込みをやってくれるかどうかは電力会社次第です。3相交流をうまく契約できたとして問題があります。基本使用料が非常に高いということです。だいたい1kVAで1000円として6kWで契約したとして6000円。電費が6km/kWhのクルマを月1200キロ走ったして200kWh消費したとしても合計9000円です。

むしろ割高になり、もっと走行距離が多い人でないなら素直に電灯線契約を増容量したほうがよさそうです。

[追記]日本の普通充電で使われているSAE J1772/IEC 62196-2 Type 1のコネクターですが、よく見たら単相交流しか流せませんでした。三相交流の赤コネクターが電源で車両側がSAE J1772/IEC 62196-2 Type 1というケーブルも世の中には存在するのですが、これは三相のうちの2本から単相を引き出しているのかもしれません。そうだとすると相のバランスが問題となります。赤コネクターが付いて三相交流用の充電ケーブルで、車両側がSAE J1772/IEC 62196-2 Type 1のように見えて実はちょっと大きいIEC 62196-2 Type 2というものがあるのですが、これなら車両に三相を流し込めるかもしれませんが、このコネクターが付いている車両は日本にはありませんので海外通販で買うときは間違えないようにしてください。、

6kW普通充電の設備をつけたら電気代や契約はどうなる<リーフ e+対応> 三相交流もありなのか?” に対して8件のコメントがあります。

  1. 通りすがり より:

    実は私も知らなかったんですが、この理屈は東日本だけに通用する料金の仕組みなんですよ。
    詳しくいうと関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力を除く。
    (何故か九州電力は関東と同じブレーカー種別での契約のようです)

    西日本、中国電力の例を挙げると
    従量電灯Aは【15kWh超過120kWhまで】
    となってますので悩む必要なしです

    新型リーフは西日本向けの電気自動車なのか?

    1. アバター画像 電気仕掛けの家 より:

      結論から言うと関西電力などでも悩む必要ありです。まず、単位が違います。問題は消費した量ではなく、一度に使う電流の問題です。
      Whの話でなく、AやWやVAの話です。

      そして、関西電力では、一般家庭のよくある従量電灯Aは6kVAまでとなっています。東京電力でいう60Aにほぼ相当します。
      どこで6kVAの制限をしているかはよくわかりませんが、今後はスマートメーターでストップをかけると思いますし、家の配線容量の問題もあるので、むやみに大容量は流せません。燃えます。

      それ以上ならば関西電力では従量電灯Bとなり、東京電力の従量電灯Cと同じです。一般家庭なら主開閉器で契約容量を決める方法をとると思いますので、8kVAや10kVAなどの契約は、メインブレーカー容量で基本料金が変わるということになります。

      1. 通りすがり より:

        よくよく調べてみたらご指摘の通り
        6kvA未満となってました。

        表現が違うだけで料金システム的に差異はないですね^^;

        メインブレーカーサイズを上げちゃうと幹線の抜き替え工事も発生することにもつながりますので
        60Aの呪縛から簡単に逃れられる訳じゃないんですね。

        バッテリーの高密度化が更に進んでも充電時間ばっかりかかる事になるのでたいしてメリットはなさそうですね。

        テスラの人はどうしてんでしょう。

        1. アバター画像 電気仕掛けの家 より:

          テスラはCHAdeMOより強力なスーパーチャージャーという施設があるのでいいですが、リーフe+の場合でカラになった状態から一晩で回復させるには、空いてる急速充電スポットで何回もおかわり充電をするしかないですね。自宅の6kW普通充電が今のところ最良の方法ではないかと思います。
          電気自動車の容量アップについては、充電体制の強化と一体であったり、利用の考え方を変えないといけないと思いますので、航続距離だけの話をして電気自動車を冷やかしているだけの人の意見はもう聞かないほうがいいんじゃないでしょうか。

          1. 通りすがり より:

            何度も応えて下さってありがとうございます。

            充電問題で議論になった時、会社でも充電出来るから何の問題もない。
            って言ってたひとがしました。
            おもわず膝を叩いちゃいました。

            なるほど!

            従業員の為にわざわざ設備を用意する会社なんてそうそうないと思いますが、士業の方、例えば会計士事務所や税理士事務所、司法書士事務所を顧客の利便性を考えて街中で開業していて、住んでるのは爺さんの代からの畑、田んぼ付き一戸建て、通勤時間50分。
            事務所に普通充電器あれば大残業して深夜に帰宅しても朝まで充電、事務所で一日中充電しながら仕事。
            こう考えると
            ガソリンスタンドに寄るより好都合な人達も居るんだなと
            個人経営者で、一階が店舗で二階、三階に住んでる人だっているわけだし。
            サラリーマン基準で考えちゃダメですね。

            色々参考になりました。
            ありがとうございました。

          2. アバター画像 電気仕掛けの家 より:

            そこなんですよ。充電に対する意識改革って。
            充電に時間がかかることばかり言われますが、ガソリンスタンドは出向かないといけないですが、充電なら駐車場所でつないでおくだけですからね。

  2. ねぎ より:

    三相200Vの普通充電ケーブルはどこで売っていますか?
    事業所で三相のエアコンを使っているのでチャンスがありそうです。

    1. アバター画像 電気仕掛けの家 より:

      コメントありがとうございます。本文の追記を読んでいただくと、三相で国内仕様車において普通充電することができません。したがってあっても仕方ないことになります。無理やりに三相の電源から単相200Vを取り出す方法も追記にあるとおりです。

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