62kWh電池の新型「リーフ e+」を活かすには、自宅の充電設備は変更が必要
日産リーフにバッテリー容量が大きくなった仕様が登場しました「リーフ e+」と分けていますが、要は電池容量が40kWhから62kWhにアップしているというもので、モーターの出力が上がっているのは制限を緩めたというようになっています。
クルマの細かいところは別のところを見ていただくとして、このリーフ e+は6kW普通充電に標準対応していることです。これまでは普通充電といえば3kWが普通で、新型リーフにオプション装備をしたり、e-Golfなどごく一部が対応していただけでした。
リーフ e+では標準装備となり、家庭でも6kW充電をしたいところですがそうは簡単にはいきません。もちろんそのままで3kW普通充電もできます。
まず、国内で手に入る6kWの充電器はデルタ電子の「Q-VEC」だけのようです。
Q-VECは壁に直接取り付け、配線も直結します。
3kW普通充電のようにコンセントに差し込む充電ケーブルは国内では出回っていません。それもそのはず、日本国内で単相200V30Aの容量を持つ一般的なコンセントといえば、IHコンロのところに使っているタイプくらい。これも2タイプあって規格が統一されたわけではありません。さらに屋外利用のための防水仕様のものもありません。(海外ではCEEプラグ仕様で防水仕様の単相240V32Aのソケットタイプがあるほか、3相タイプもあり、NEMA 14-50Pソケットは3相のようです。)
デルタ電子の「Q-VEC」を使うとして、検索したところ定価は18万円のようで、ネットショップなどで販売されている様子はありませんので、実売価格はどのくらいになっているのかは不明です。
そして、これを使うためにはデマンドコントローラー「EVUJ100」が必要になります。なくても使えるようですが、家庭で使う場合、家庭の電気使用量を監視しながらでないと安心して充電できません。
6kWで充電するということは200Vで30Aです。東京電力などでのいわゆる60A契約ではこれだけでフルに使ってしまい、他の何かを使ったそれでブレーカー落ちです。では落ちないように従量電灯Cの10kVAや12kVAの契約をしてしまえばいいと考えますが、基本料金が高くなるのと、場合によっては家の幹線張替えや分電盤交換が必要になり、内装を壊す必要が出てくる可能性があります。
つまり、一般家庭で「Q-VEC」を使って快適に充電するにはデマンドコントローラー「EVUJ100」の装備は必須といえるでしょう。ちなみにEVUJ100の価格は不明です。
もうこうなったら、V2H機能を備えた急速充電器を家に備えたほうがいいかもしれません。
とはいえ、根本的な問題として、充電がカラの状態から満充電まで充電する機会がそんなにあるかということもあります。ちなみにリーフの場合、バッテリーの冷却は自然冷却しかありませんので、62kWhタイプのクルマで普通充電とはいえ長時間の充電がきちんと入っていくのかは不明です。
リーフ e+を買って、自宅で一晩でほぼカラの状態から満充電まで充電したいのなら、6kW普通充電や、V2Hシステムによる急速充電の設備は必須ということを覚えておいてください。