地震のあと、感震ブレーカーの復帰方法。余震が予想される今だからテストと操作の確認を
今朝(6月25日)の地震で感震ブレーカーが動作した家もあるのではないかと思います。重い球が落ちるシンプルな方式ならば元のように球を戻し、ブレーカーを復帰させればいいですが、分電盤に内蔵し揺れのセンサーで動作する感震ブレーカーの場合はどうしたらいいでしょうか。
原則として、落ちたあとに主幹ブレーカーを戻せばいいのです。
しかし、戻してもすぐまたブレーカーが落ちてしまうことがあります。その場合、2つの原因が考えられます。
パナソニックのBQX702(と、BQX702を内蔵した分電盤など)を例にとると、ひとつは感震ブレーカーが震度5強を検知してブザーが鳴り始め、3分以内に元の電力網で停電が起こってしまった場合です。この場合、ブレーカーを復帰させた瞬間に再度落ちます。これは、地震のあとに確実に電源を切るための機能ですので異常ではありません。
地震を検知して3分のブザーの後、ブレーカーが落ちた場合はそうなりませんが、ブレーカーが落ちる前に電気の供給が止まるとブレーカーは落ちた状態になりません。その後、電気ストーブの転倒や配線のショートなどが発生した場合、電気の供給が再開したときに火災が起こる可能性があります。それを防ぐための機能です。
どちらも復帰させるには、ひと呼吸おいてブレーカーを上げれば戻ります。
2つ目は感震ブレーカーの異常です。震度5強で動作したのはいいものの、ブレーカーを落とす信号が出たままになってしまい、復帰ができないという故障(または設定不良)です。
対処方法は、パナソニックのBQX702の場合、本体から細いリード線が数センチ出たところにコネクターがあります。これを外すことでブレーカーを落とす信号をカットできます。
コネクターを外してブレーカーを復帰させれば電源が戻ります。
この異常ですが、感震ブレーカーの異常は実際に地震が起こらないとわからないものです。異常のひとつに「取付け方向設定」の不備があります。BQX702は設置方法が上向き、下向き、横向き(縦型分電盤)と可能ですが、取付けたときに「取付け方向設定」をしなければなりません。
説明書に小さく書いてあるのですが、解除/テストボタンを押しながら主幹ブレーカーをオンにし、電源表示灯が点灯してから3~6秒の間にボタンから手を離すとあります。ピーッ、ピーッとブザーが慣れば設定は完了とされています。
下向きの場合は問題が起こりにくいですが、設定しなければ特に横向き(縦型分電盤)はずっと感震を感知した状態になってしまいます。
また、本当の故障もないとも限りません。寿命は10年とされており、およそ10年たつとブザーが鳴って交換を促す仕組みになっていますが、自然劣化とは別の故障の場合もあります。
確認する方法のひとつは、テストボタンを押して擬似的に地震の検知をさせることです。2秒以内の短い押し込みで通常の地震と同じ3分間のタイマーがスタートします。2秒以上の長押しでは即時遮断です。ブレーカーが落ちた後、復帰まで正常動作するかどうかは定期的に確かめることを強くおすすめしておきます。
異常があれば、感震ブレーカーの交換が必要です。復帰しないだけならまだ被害が少ないからいいですが、大地震のときに遮断されないのはもっと問題です。定期的に注意すべきところです。
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