災害に備えるといえば非常持出し袋。でもこれ、本当に必要なのでしょうか。ふだんは触りもしないモノが詰まっていて、いざ、必要なときには使えなかったりしませんか？　買ってすぐのときは手前に置いていても、どんどん物置の奥に追いやられ、地震が来たらモノが散乱して取り出せそうにないところに置いてないでしょうか。

ふだんから使うものを災害の備えにする

ならば、ふだん使うものを災害の備えにすればいいんです。非常食でなくカップラーメンを余分に買い置く習慣を付けたり、懐中電灯ではなくUSBのバッテリーにつなぐLED照明を用意する、ラジオはスマホやケータイのラジオ機能を使えるようにしておく。などです。

ふだん食べられるモノ、水なしでもなんとかなるモノ

食料については考えてほしいことがあります。近年、災害時に餓死するということは非常にレアケースです。1人で完全に孤立した場合などに限られます。であれば、生命維持のための非常食の必要性はほぼありません。

ただし、空腹は判断を誤る元になったり、精神面から落ち着きをなくし他人と無用なトラブルを起こす元になったりします。ですので、やはり非常食は生命の維持だけの質素なものよりも食べる喜びを感じられるものにすべきです。

例えば、チキンラーメンなら嫌いな人は少ないでしょうし、水なしでも十分に美味しくいただけます。チキンラーメンが嫌いな人や全く食べ慣れてない人もいると思うので、その場合は、保存がききながらふだんでも食べられ、加熱や水がない場合でも食べられるものを選んでください。

非常用として別置きするのではなく、用意してから少し時間がたったら食べ、また次を買うというものが放置されないコツだと思います。

懐中電灯よりもUSBバッテリーとLEDライトの組み合わせ

懐中電灯は使わない人は本当に使いません。ですので、いざ使うときは電池がカラなんてこともあります。そこでUSBバッテリーにUSB照明を組み合わせることをおすすめします。

非常照明にするなら懐中電灯のように1点を照らすものよりも周りを照らすものがよく、それを保持しておくならフレキシブルなケーブル付きがいいでしょう。

そして、ついでにUSBバッテリーもローテーションで使えるように数を増やしておくといいでしょう。乾電池よりも放電が少ないですし、充電すればいつでも使えます。非常時にカラだったとしても、どこかで充電さえできれば使えます。電池のように店を探す必要もありません。

おすすめはACアダプターが合体したUSBバッテリー。これなら充電器をなくす恐れもありません。

ラジオはスマホの機能などを活用、単体ラジオは機種をよく選ぶ

非常時の情報収集と言えばラジオですが、これも使わなければ電池が液漏れしてラジオの中身を壊しているということもあります。そこで、ふだん使うモノでラジオを使うことがおすすめです。

ラジオ放送はRadikoアプリで聞くことができますが、非常時はラジオの電波を受信したいところです。FMラジオチューナーを内蔵したスマートフォンは海外勢を中心にけっこうあります。たとえばモトローラのG5SはFMラジオチューナーを内蔵しています。

また、ICレコーダーなどにもFMチューナーは内蔵していますので、ふだんからICレコーダーを使う人はそういったものを活用すると利用したほうがいいでしょう。

単体のラジオを買うことになった場合、注意してほしい点があります。乾電池から電気を物理的に遮断できるスイッチのものを選ぶことです。要は待機電力のないラジオを選ぶことです。そして、ワイドFMは絶対条件です。AMラジオ局がワイドFMで拡大された周波数でFM補完放送を行なっています。これを聞けるようにするためにもワイドFMは必要です。

あらためて言います、ふだんから使えるモノを災害の備えにする。ふだんは使いもしない、食べもしないもので非常用持ち出し袋を作ることだけは避けたほうがいいでしょう。