この先、全EV化をするメーカーは生き残れるか? 現状維持はそれほど甘くない

ホンダの2040年まで全EV&FCEV化の話も落ち着いたところで、ちょっと考えてみます。自動車評論家諸氏は無謀な選択だという論調が多いですが、ホンダの革新性を信じてる人からは評価の声が高いようです。たしかにホンダはF1の第2期や現在の第4期でわかるとおりエンジンで名を馳せてきたメーカーで、1970年代にアメリカの排ガス規制にエンジン技術で真っ向から挑戦して勝利した歴史もあります。今度はエンジンの問題よりも、欧州の規制に真っ向勝負するというのもホンダらしい選択なのかもしれません。

何より、自動車メーカーがこぞって「CASE」という言葉を掲げて変革に備えようとしています。クルマを個人所有したいという需要は都市部を中心に減少していますし、発展途上国でのモビリティという点では、日本の既存の国内メーカーではスズキやダイハツくらいしか対応できません。

また、EV化の流れは止めることができません。EV率が高くなるとエンジン車に必要な整備やその関連業種に大きな影響があります。あるメーカーのトップはさまざまな方針を掲げ、雇用を守るために時代の流れに抗ってるのもわかります。しかし、一方で、新しい世の中にいち早く対応しようという方針は、さらにその先まで生き延びるためには必要です。

どうやら、ホンダのEV化について批判的な人たちの考えを見ると、今の方針のほうが安泰と考えている節があるようです。

しかし、本当に安泰なのかどうか。生き残れないという可能性まで踏まえると、ホンダの考える道が長期に渡って現実的な生き残り方だと思えてきます。

EV化は政府や欧州のエゴのように言って安心している人もいますが、これから大きな波がきます。EV化できるのは中クラス~高級クラスまでの乗用車、そして路線バス、さらには個別配達の荷物車です。

まさに日本の乗用車メーカーのほとんどがこの波に影響されます。EV化が進めば販売店の整備スタッフもサプライヤーも大変革しなければなりません。機構が複雑で故障の原因となるエンジンがなく、EV化はクルマの寿命が伸びることを意味するので総販売台数ですら大きな影響を受けます。

そのなかから個人向け乗用車では充電環境がない人、つまり集合住宅等の問題ですが、まさにクルマ離れで需要が減少中の人たちですので、思ったよりも影響が少ない可能性があります。カーシェアなどで代替でき、もし、個人所有のクルマが必要なら都市部ということで、コンパクトなスズキやダイハツのクルマが適しているということになります。

つまり、スズキやダイハツ以外の日本メーカーはEVシフトをしないと生き残れないことになります。需要はゼロになるわけではないので規模を縮小していけば大丈夫だという考えもありますが、一般的に会社の規模の縮小は非常に難しく、一度倒産するなど荒療治が必要です。それは「生き残れない」ということを意味します。

なお、もちろんすべてがEVにということはなりえないでしょう。だからと言って、EVがゼロというのも極端です。EVにしたほうが効率的、環境的にも低負荷という使い方は多くあり、渋滞が多く狭い国土の日本ですからなおさらです。EVが有利なところをEVにして、EVが不得意なところをどうするか、そこに現状維持にしがみつくメーカーが集中、すべてのメーカーの居場所があるのか、という問題でもあります。

すでに、EVは環境負荷が高いとか低いとかゼロかイチの議論をしている段階ではないでしょう。適材適所での活用を考え、将来、メーカーがどういう製品を投入して、ビジネスとして生き延びられるか、という問題です。

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