エアコン設置の独立回路のコンセントは法令上の義務がないので必要ない? そういう観点は危険、安全は別です

エアコンを設置する際、ブレーカーから独立した回路のコンセントがないと設置工事をしてくれないという事態が発生しているようで、一部の人が所管の経済産業省に問い合わせたためか「法令上の義務はない」という回答を引き出しています。

https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/koji_koshuQA.html

しかし、専用回路の義務は法令上にはないかもしれませんが、「内線規程」には記されています。経済産業省も立場上、内線規程については民間規格と説明するしかありませんが、事実上、一般人はこれに従わないといけません。

なぜなら、内線規程は法令に沿うための具体的な事柄を示しており、守ることが法令に従うことにつながるからです。また、電気製品の変遷や技術進化など社会の変化に合わせて、安全や快適な利用のために内容も更新しています。

仮に内線規程に従わない場合でも法令に合致することもありますが、安全を求めるならば従うべきものが内線規程です。また、内線規程に違反している場合、電力会社から電力供給拒否をされる可能性があることは覚えておくべきでしょう。

以上のことから、法令にないからと、エアコンの独立回路のコンセントを用意しなくていいとはなりません。

そして、他機器の接続や配線の太さなどから独立でなくても安全に動作できる場合もありますが、長時間に渡って10A以上の電流が流れることがあるエアコンだけに、配線の調査なしに独立コンセントが不要とは言い切れません。

もし、現場の調査もなしに法令上の義務がないからと、エアコンの独立コンセントは不要、と言い切ってしまう業者がいたら、安全を軽視しているとしか思えず、そのような業者に依頼しないことを強くおすすめします。

ちなみに、独立コンセントは不要と言い切っていたある業者の動画では、松下電工(現:パナソニック)の「ハイ連」のコンセントが付いた部屋で、延長コードを付けてエアコンを動かそうとしていました。ハイ連のコンセントならば昭和40年代に設置した可能性が高く、50年モノです。そんなコンセントに延長コードでエアコンを動かして平気な顔をしているのですから恐ろしいものです。

また、古い配線は劣化している可能性もあることや、昔は細い配線でごまかすこともよくありました。昭和40年代なら1部屋で独立回路を形成していることはなく、複数の部屋に1つの分岐ブレーカーから供給していることもよくありました。昭和40年代のエアコン普及の度合いからも各部屋にエアコンを使うことはあまり想定されていません。そんな状況の家で、エアコンの独立コンセントは不要、と軽々しく言うことはできません。

もっとも、ハイ連のコンセントに延長コードを使っていても、事故なく使うことはできるでしょう。しかし、事故の起きる可能性は独立コンセントを用意した場合に比べると、かなり高いのは間違いありません。

結局のところ、法律に違反したくないだけなら独立コンセントをつけなくてもすむかもしれませんが、安全に使いたいなら独立コンセント、というのが結論です。自分の家ならどちらを選ぶかは明白でしょう。

最後にもうひとつ。ブレーカーごとの電気使用容量を考えないと、ブレーカーが頻繁に落ちて使い物にならなくなります。夏にしっかり涼みたいからエアコンを導入するのに、法令に違反しないからと独立回路コンセントを拒否した結果、分岐ブレーカーが頻繁に落ちてちゃんと涼しくならないことこそ本末転倒で、避けるべきことです。

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