「5G」がスマートホームやIoTに関係あるのかないのか……

モバイル通信の「5G」の期待が独り歩きしています。どこが5G(第5世代)になるのかといえば、携帯電話の無線区間とそのネットワークです。すでに携帯電話という言い方も、モバイル通信という言い方も実態を表していないかもしれませんが、通信すべてが変わるわけではありません。

経済誌などを読んでいる人に、5Gになればネットワークが速くなってすべて解決、という認識の方もいるようですが、あくまでモバイルなどの無線通信の問題です。無線LAN(いわゆるWi-Fi)は直接関係ありませんし、光ファイバーを使った自宅のインターネット回線も関係ありませんので、スマートホームやIoTは現状のつなぎ方では関係がないとも言えます。

5Gになって何が変わるかといえば、モバイルなどの通信です。速くなるというのは回線速度が速くなるというよりも、伝送遅延が少なくなるほうが大きいです。わかりやすい例としてよく言われるのがスマホゲームです。ネットワーク対戦のアクションゲームなら、データの到達までの時間が0.1秒違えばゲームの使用感は大きく異なります。また、スマートフォンから自宅のIoT機器の場合、操作してから実際の動作までの速度が変わってくるかしれません。

また、そのほかにIoT機器の接続方法が変わってくるかもしれません。5Gは多接続性の進化もあるので、今までは自宅固定回線の無線LANに接続していたものが直接、5Gのネットワークに接続するようになってくる可能性があります。直接接続すると別に料金がかかる可能性がありますが、機器自体の利用が月額利用料制となるモノなら5G部分も料金に含まれるようにでき、家のネットワークに左右されず、自宅に置いたら設定操作なしにすぐ使える機器になって便利です。すでに、現在のLTE回線でもその動きはあるので、それがより進化するということです。

そして、5Gがスタートしてすぐというわけではないのですが、さらに将来的に家の固定回線が5Gに置き換えられてしまう可能性があります。光ファイバーの速度も、もう無線通信で代用できる可能性が高いということです。

家の無線LAN(Wi-Fi)はWi-Fi 6、ネットワークはIPv6へと別の進化がある

今後、家の中の問題で変化がありそうなのは5Gではなく、無線LANの「Wi-Fi 6」とネットワークの「IPv6」対応です。IPv6はパソコンやスマートフォンの世界ではじわじわと気づかないうちに普及しています。具体的に言えば、auひかりやNuro光を自宅に導入し、一般的なスマートフォンやパソコンを接続すれば、GoogleやFacebookにアクセスすればIPv6で接続されます。この「電気仕掛けの家」もIPv6対応です。

IPv6になるとなにがいいかといえば、通信がスムースになることです。既存のIPv4よりもインターネット上に存在できる数の上限が圧倒的に大きくなり、IPv4ではその上限数をすでに超えているため複雑な処理をしていますが、それがなくなり、通信経路がシンプルになるという感じです。正確にはもっといろいろありますが、そう考えると簡単です。

今後、細かな機器までIPアドレスが振られ、インターネットに接続される機器数が飛躍的に多くなることが予想されますが、IPv6化されないとスムーズな通信ができなくなる可能性があります。

一方の無線LANですが、Wi-Fi 6は現在、主流のIEEE 802.11nや11acの次の規格として速度が速くなるほか、多接続性が改良され、家の中にたくさんの無線LAN機器が増えたとしても通信がスムーズになるとしています。通信モジュールも世代が新しくなって物理的な性能も上がるため感度が良くなり、今までは電波の飛びにくかった場所にあるIoT機器の通信状態が良好になる可能性もあります。

設備寿命と規格のアップデート頻度が合わない問題

5G、Wi-Fi 6、IPv6に対応した機器が続々と登場し身近になっていくのですが、問題があります。スマートフォンの使用期間は長くて5年くらい。破損といった劣化のほか、規格上の対応、実用的な速度で動作するかという問題からそのくらいが限度です。ところが、IoT機器はそうではなく、家電では冷蔵庫など10年オーバーはふつうです。

今は5Gが騒がれていますが、10年後は6Gが目と鼻の先の世の中になっていると思われます。家電は10年以上使う機器が多く、今、ネット機能が入ったとしても10年後、使い続けられるかどうかは未知数です。例えば冷蔵庫の冷やす機能に全く問題がなかったとしても、ネット機能がないために買い替えを迫られたりする世の中になりそうです。

新しい規格の進化に期待したいところですが、設備寿命と規格のアップデート頻度が合わないという問題はなんとかなってほしいところです。

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